先日、友人2人から「神社とお寺で御朱印帳を分ければよかった」とアドバイスをもらい、私もお寺用の御朱印帳を用意しました。Amazonで少しテイストの違う御朱印帳をゲットし、早速使ってみました。記念すべき初めて寺院でいただいた御朱印の1ページ目は「観世音寺」です。
観世音寺は、太宰府天満宮から車で約5分、大宰府政庁跡に隣接しています。7世紀後半、天智天皇が母・斉明天皇の供養のために創建した寺院で、天満宮よりもずっと古い歴史を持っています。完成までに約80年の歳月を要し、746年に完成の供養が行われました。
観世音寺の宝蔵には、九州最大級の仏教彫刻が展示されており、多くの重要文化財が収められています。特に、9世紀の彫像「兜跋毘沙門天立像」の威厳ある姿は圧巻です。観世音寺には大陸由来の舞楽を行う楽団もあり、寺院で行われた演劇や舞楽に使われた「舞楽面」も収蔵されています(撮影禁止でした)。
観世音寺の梵鐘は日本最古の鐘として知られ、その歴史的価値から国宝に指定されています。京都の妙心寺の鐘と兄弟鐘としても知られ、非常に似た外観と実測値から同じ工房で鋳造されたと考えられています。観世音寺の鐘の音は、大宰府に左遷された菅原道真公も耳にしたとされ、漢詩「不出門」の中で「都府楼はわずかに瓦の色をみ、観世音寺はただ鐘声をきくのみ」と詠まれています。この鐘は現在、九州国立博物館に寄託されています。