秋といえば秋

でも暑い


夏の終わりの歌が

なんとなく

聴こえてこない



恋をする楽しさは

その過程に

1番詰まってるという事を

昨日

改めて思い出した



雨が降っていたらしい

1日を地下で過ごし

ターミナルも地下にあるので

入ってきた電車の窓を見て

初めて気づく



目の前にないもの

通り過ぎて

そばにいなくなった思い出は

いつだって

気づくまで思い出せなくなっている



好きがない毎日


電車の中で

ふと目が追いかけてしまう顔は

奥様とは違う

最後に好きになった人にどこか似た顔



不思議でもないけれど

はつ恋のひとも

奥様も


理想の人とは程遠い

外見も性格も



好きになったひとの

その外見が

僕のタイプの顔です。。。

と言っていた頃を

ふと

思い出した




奥様には時々

思い出したように恋をする

かわいいなぁと想っている



ドキドキはしない

安心はする



そして時々以外は喧嘩してる

仲が良いのだろう


トンネルを出て最初の駅

雨の音

大きな雨音


今日は濡れそうな感じ

駅で本でも読みながら雨宿り

していこうかな




むかしむかし

とまではいかない学生の頃に

この電車のトンネル出口の場所が変わった時

高架からすぐに地下に入り込むようになって

それまでは

窓の外に斜めになった壁が少しずつ現れて

少しずつ空が広がって

外に出る、逆もまた

地下に入っていく


その景色というより

空間や時間が

とても好きだった



恋をしていた頃で

ゆっくりと

水の中に沈むような

浮かんでいくような


そんな感覚を

共有したいと想っていたのだ

きっと



いつも乗る電車には

音があって

リズムがあって

匂いがある



大きなカーブで減速すれば

いつも

おかえりと言われているようで

ただいまと

こころで頭をさげる




恋をしていた頃は

どこでも

想いを描けた

駅の雨宿り

雲の声



いまでも

夏の雨の中を走る

あの頃のふたりを想い出す