きみのお金は誰のため  田内学

◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈

ある大雨の日、中学2年生の優斗は、ひょんなことで知り合った投資銀行勤務の七海とともに、謎めいた屋敷へと入っていく。そこにはボスと呼ばれる大富豪が住んでいた。所得、投資、貯金だけじゃない、人生も社会も豊かにするお金の講義が始まる。

◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈

読者の対象年齢は広いと思います。

お金の流れや謎をわかりやすく

①お金自体には価値がない。

②お金で解決できる問題はない。

③みんなでお金を貯めても意味がない。

この三点に絞って書いていました。

印象に残った一行は、

お金の先には必ず誰かの働きがある。ということ。

労働の対価はお金。という考え方を覆し、

労働は社会のため、人のためであり

ただ働いて貯金して数字を増やしても

意味はないのだ。という部分に光を当てています。

主人公が中学生なので例えもわかりやすかったです。

たしかに、

働く人がいない無人島に100万円を持っていっても

買えるものはなく、お金としては無力ですよね。

いま、暮らしていける、生きていけるのは

インフラやエッセンシャルワーカーなど、

目に見えない人の労働力があって

はじめて生活が成り立っていると言えます。

経済を回すという政府の常套句ですが、

どれだけお金を持っていても働く人や働く場所が

なければ世の中は回らない。

まさに2040年の「8がけ社会」ですね。

この本、図書館の予約急増本になっています。

働く意味....。お金の意味。

ちょっと考えさせられました。