きみのお金は誰のため 田内学
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ある大雨の日、中学2年生の優斗は、ひょんなことで知り合った投資銀行勤務の七海とともに、謎めいた屋敷へと入っていく。そこにはボスと呼ばれる大富豪が住んでいた。所得、投資、貯金だけじゃない、人生も社会も豊かにするお金の講義が始まる。
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読者の対象年齢は広いと思います。
お金の流れや謎をわかりやすく
①お金自体には価値がない。
②お金で解決できる問題はない。
③みんなでお金を貯めても意味がない。
この三点に絞って書いていました。
印象に残った一行は、
お金の先には必ず誰かの働きがある。ということ。
労働の対価はお金。という考え方を覆し、
労働は社会のため、人のためであり
ただ働いて貯金して数字を増やしても
意味はないのだ。という部分に光を当てています。
主人公が中学生なので例えもわかりやすかったです。
たしかに、
働く人がいない無人島に100万円を持っていっても
買えるものはなく、お金としては無力ですよね。
いま、暮らしていける、生きていけるのは
インフラやエッセンシャルワーカーなど、
目に見えない人の労働力があって
はじめて生活が成り立っていると言えます。
経済を回すという政府の常套句ですが、
どれだけお金を持っていても働く人や働く場所が
なければ世の中は回らない。
まさに2040年の「8がけ社会」ですね。
この本、図書館の予約急増本になっています。
働く意味....。お金の意味。
ちょっと考えさせられました。