白鳥とコウモリ  東野圭吾

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幸せな日々は、もう手放さなければならない。

遺体で発見された善良な弁護士。

一人の男が殺害を自供し事件は解決のはずだった。

私たちは未知なる迷宮に引き込まれる

作家生活35周年記念作品

東野圭吾版『罪と罰』。

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いま、書店には文庫本となった

白鳥とコウモリが時を経て並んでいますね。

単行本から3年が経つのだとなつかしく、

図書館で再び借りてきました。

東野圭吾版『罪と罰』という伏線に

茫然としたのを思い出します。

見落としそうな箇所にある中町巡査さんの一言

「光と影、昼と夜、まるで白鳥とコウモリが

一緒に飛ぼうって話だ」 

どういう意味だろう....

読み終えるまで白鳥とこうもりが

頭の中から離れず、表紙もどういう意味だろう....

一気に読み切れる一冊ですね。あれから、

ふたりの行く末はどうなんだろう。

3年が経ち、そう思う再読時間でした。

人それぞれなにかを背負って生きていますが 

それが『罪』という重さならば、影や夜ではなく

抜け出せない『闇』なのだと思います。

お天道様の下を堂々と歩ける。

それが出来るだけで十分なんだ。

十分がんばって生きているんだ。

わたしは、いつもそう思って生きています。

『光と影』表裏一体の世の中で生きている人への

東野圭吾さんからのメッセージだと思います。