「ときどき旅に出るカフェ」 2019年11月刊行
「それでも旅に出るカフェ」 2023年4月刊行
近藤史恵さん
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氷野照明に勤める奈良瑛子が近所で見つけた
カフェ・ルーズという小さな喫茶店。
オーナーの円はかつての同僚、葛井円だった。
日常に起こるいろいろが世界の食べ物で
満たされていくおいしい連作短編集。
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コロナ禍をはさんだ続編。
あの頃は不要不急の外出自粛でしたが、
すでに過去になりつつある日常生活です。
瑛子さんと円さんの生活からもコロナ禍が 
すでに過去のひとこまだとわかりました。
一話、一話、読み切りの登場人物が出てきますが
最後の高見夫婦....。どの職種にもいるんですね。
夢物語だけでは終わらせない近藤史恵さんらしい
現実の向き合い方に共感しました。

文中より、
自分がどんなふうに生きたいか決めていいのは、
自分だけだと思います。

夢は少しずつ、現実と相談して
軌道修正していけばいい。
うまくいかなければ、
また軌道修正すればいいのだ。
芯のある円さんを突き動かしているのは
美味しい料理をお客様へ。
これだけです。シンプルがいい!そう思います。
世界の美味しいがつまった短編集。
ロシア風ツップフクーヘン。
カフェ·グルマンのデザートプレートが
食べてみたいおすすめの2冊です。