「すみれ荘ファミリア」凪良ゆう(講談社タイガ)

 

「すみれ荘」という古い下宿屋のお話

 

シェアハウスとかではなく

昔ながらの下宿屋

大家さん(実際はその息子である管理人)がいて

朝ごはん、晩ごはん、2食のお世話をしてくれる(羨ましい・・)

 

 

管理人さんが

お人好しで、温和で、やさしくて

ものすごく居心地がよさそう

 

それに対して

住人は、個性的で、個性的で、個性的・・

というか

個性的、では済まないレベルのコワイ人もいたりして

 

さらに、周辺にいるオカシナ人とか

 

当たり屋みたいなことをして

転がり込んできた、生き別れの弟(?)とか

 

 

いくつもの家族のかたち

家族ではないけど、家族みたいな人たち

 

それぞれが抱える、表には出せない感情や事情

そんなものが、あるとき一斉に噴出して

「すみれ荘」が火事になってしまう・・

 

 

 

事件が片付いて

それで家族は再生しました、というお話ではなくて

 

失ったものや時間は取り戻せないし

ねじれてしまったものも、元に戻るわけではない

痛みは、痛みとして残り続ける

 

それでも

被害者になっても、お人好しは変わらない管理人さんは

その弟と、新しい家族のカタチを作っていくのだろうな

と、思わせてくれるラストで・・

 

再建された「すみれ荘」には

いいコンビの管理人・兄と間借り人・弟がいて

居心地のいい住処を提供してくれるような気がします

 

 

 

 

 

ビオラ ~まだ植えたばかりですが

冬から春にかけて長く咲いてくれる嬉しい花ですね