なぜ今アンパンマンブームなのか? その⑦ (〃ω〃) | 宇宙の森探索

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風ノ意匠サスケの変態ブログ








ある日の昼下がり

平和なアンパンマン世界に

突如として

宇宙人がやってきた

彼らの目的は

ただ一つ

アンパンマンたちの住む世界を
アンパンマンが守ってきた
平和な地球を

破壊すること




さて

皆さま
いかがお過ごしでしょうか?

平和な雰囲気満載なアンパンマン世界に
突如
邪悪な宇宙人が攻めてくる

そのような設定を考えてみたとき
僕はですね
今まで想像したこともなかった
アンパンマン世界の別な一面を
垣間見ることができるのではないか?
考えたのです




その前に
もう少しだけ寄り道をさせて下さい
(^◇^;)


これもまた唐突なんですが
昔なつかしい
星新一さんのショートショートから
僕が忘れられない一編をご紹介しましょう


『ひとつの装置』

遠い記憶を辿りながら
ざっくりと(笑)ウインク


キラキラ




あるとき
世界的に高名な科学者が
政府の高官にこう提案してきた。
「これは我が国に限らず、人類にとって
絶対に必要な装置です。
ぜひ早急に予算を通して頂きたい」

かくして
膨大な予算と大変な工事期間を経て
その装置は完成した。

高官は聞いた
「さて、先生、もうそろそろ話して下さい。
これはいったい、何の装置なのでしょうか?」

科学者は答えた
「これは、何もしない装置です。
今現在の世界情勢を見ると、こうして
何もしない装置こそが必要なのです」

科学者は頭がおかしいと見なされ
強制的に精神病院に入れられてしまった。

小高い丘の上に据えられた
その装置

高さは5メートルくらいだろうか
円筒形の体の上に
頭のようなものが乗っかり
人の腕にも見えるものが一本
所在無げにぶら下がっている
そして
円筒形の胴体部の真ん中に
ひとつ
ボタンが付いていた

ボタンを押すと
面倒くさそうに腕が動き
ボタンを元にもどす
そして
また
沈黙



気の狂った科学者の妄想が作りだした
その装置は
やがてすっかり忘れられていった

それでも
たまに夜中に
コッソリとボタンを押す者もいた
もしかしたら
自分が押した時だけ
何か
素晴らしいことが起きるのではないか?

しかし
その装置はいつもと同じように
ゆっくりと腕を動かし
ボタンを元にもどすと
永遠かのような沈黙に落ちるのだった

時は流れ
装置を作った科学者も亡くなり
全ての関係者がいなくなっても
その装置は
ただ丘の上にあるのだった

ある年

全世界を巻き込む核戦争が起きた

人類は一瞬にして滅んでしまった




それでも
天才と言われた科学者が
心血注いで作った装置は
壊れることなくそこに立っていた
まるで
何かを待っているかのように

人間がいなくなって数百年
たまに
強い風が木切れを飛ばし
ボタンに当たることがあった

それでも
その装置は
サボることなくゆっくりと腕を動かし
ボタンを元にもどすのだった

そして

最後にボタンが押されて
1000年の月日が流れた

それは
この地球上から
人間を含む
あらゆる知的生命体が消えたことを
意味していた
もはや
この地上に
好奇心を持ってボタンを押す者はいない


その装置が
ついに
本来の目的を果たす時が来たのだ

胴体部の上にある頭が静かに持ち上がり
人類の発生と繁栄
その栄光と挫折の歴史を語り始めた

我々はかつて
ここに存在したのだ


それが終わると
葬送曲が
しめやかに流れはじめた

聴くものの誰もいない大地を
美しくも寂しげな
メロディーが
流れ

遠く
消えていった

あとには
何ごとも無かったかのように
ただ
静寂だけが
広がっていた








サスケでした
٩( ᐛ )و






ジャニス・イアン
『復活の日』テーマ曲