合計7本のケーナの調律依頼がありました。

有名な演奏家さんの手によるものだそうですが、

私の作るケーナとは根本的に吹き方が違うのか、はたまた調律に対する文化が違うのか、

とにかく、まったくどうやって吹いたら良いのかと思わせるケーナ達でした。

7本全てが穴位置、歌口形状など同じようなスケールで作られているので、

この製作者が吹けばきっとこれでいい演奏が出来るのでしょう。

ただ、普段から私のケーナを愛用頂いている依頼主さんにとっては、どうも合わないので

お蔵入り状態であったという事で、私に調律依頼をされたわけです。

歌口がとても大きいです。幅13.5~14ミリ。(写真上の方の当工房のG管は幅9.5ミ、深さ7ミリ程度)

うまく息をコントロールするのが難しいので、瞬間接着剤の盛り付け後再形成。

 

全体に低め傾向なので対象の指穴を埋めて少し高い位置に空け直す、という方法を取ることにしました。

木の丸棒をジャストフィットするように削り、瞬間接着剤で固着します。

大半の穴をこの方法で埋め戻し、新たに少し高い位置に空け直せば音程が上がります。

面倒ですが瞬間接着剤を瞬時に固着させるスプレープライマーを使えば、パテで埋めるより時間短縮できます。

多少見てくれが悪くなりますが、私はもっぱらこの方法でやっています。

 

実は、他人が作ったケーナをいじって調律するという作業は基本的には受けたくないのですが、

今回は気心の知れた友人からの依頼だったのでやってみました。

どんなケーナでも調律可能というわけではないのです。特に木のケーナの調律は私には無理です。

というのも、10本以上は所有している木製のケーナがあるのですが、どれも私の吹き方にフィットしないのです。

有名演奏家や、有名工房の物、木製ケーナ材料を買って自作した物もです。

もはや私には自分の作った竹のケーナでしか演奏できない吹き方になってしまったのだと思っています。

(木製ケーナを否定するわけではありません)

 

自分で取って来た竹で自分なりに手間暇かけて乾燥、製竹した材料であれば、

大体思い描いた通りの調律が出来るのですが、

他人の作ったケーナはその製作者がどういう吹き方なのか、また調律に対する考え方も違うだろうし、材質によっては

オクターブ比が違ったりすることもあり、また最初から指穴が大きなケーナではそれ以上ピッチを上げたいときは

歌口側を切り詰めて短くする必要があり、当然歌口も再形成するという事になります。

その時点でもはやオリジナルの歌口形状が消滅してしまうわけですから

そのケーナの元の製作者に対して大変失礼なことをやってしまっているという自責の念が生じるのです。

過去、調律希望の方からのご依頼もお断りしていたのですが、

お困りの方のお役に立てれば、という気持ちもありますので、

内容(どういうケーナで、どういう状況なのか)次第ではお受けすることも可能かと思います。

ご希望があれば一度ご相談ください。