昨夜は家内と誕生日のお祝いを兼ねて中心部に行ってきた。駅のポン酒館で500円でコイン5枚買う。新潟のお酒がずらり。お気に入りの銘柄はなぜか2コインに値上げされている。暴利だと思ったが飲みたい。そのあと1コインを堪能する。味は違うが識別は出来ない。

 

つまみは100円のキュウリの浅漬けと無料の味噌。500円追加して堪能するとほろ酔い。家内は私を良寛さんの歌碑の前に置き去りにしてウインドウショッピング。

 

みちのべに すみれつみつつ はちのこを わすれてぞこし そのはちのこを

 

ちなみにすみれは雪割草のことらしく近くに群生地がある。

 

いつも思うのだが選者は何故この歌を選んだんだろう。良寛さんは名歌が他にもいっぱいある。貞心尼との相聞歌でも巧みに女心を操る。昔、20歳も違う嫁さんをもらい若い体はいいなぁ、という逸話もあるらしい。

 

良寛さんは朴念仁ではなくスケベだったから選者はこの歌を選んだのかも。いい女を追いかけていたら肝心のはちのこ(食い扶持)を忘れてしまったわいとも読める。

 

SNSに上げるためだろう写真を撮る人が居た。「良寛さんは実はスケベだった」と書くとバズるかもよと言ってしまった。ご尊顔を拝察すると少子化に貢献しそうなお顔立ちでとても女を操れないなと思った。

 

やっぱり酔っているんだ。

 

それから新しい居酒屋に行く。お洒落で何やら京都の焼き鳥屋を連想させる。居酒屋は猥雑な方が好きだ。

 

家内は新田次郎の孤高の人のラストを口説く。読んだことはないのだが盛んに口説く。しばらく聞いてから「山屋というのはそういうものだ」と答える。でも救急隊員は自分の命綱を確保しながら救助に当たる。「彼は単独行の人でグループ登山の経験が無いんだ」と答える。

 

それ以上言うとお説教になるので黙ったが、次女も家内もスポーツ店で装備を買えば山に登れると始めた人で、私のような地獄の二丁目を味わっていない登山家だ。あの時骨身に染みさせられた山のルール。それでも判断を誤れば遭難する。荷物の中にその時のための最小限の装備を忍ばせている。

 

開聞岳の時、なぜチーフリーダー宣言をしたか。1時間時計を見損なってしまった。ヘッデンが1個しかない。義弟の体力を考えれば1月だから麓につく頃は真っ暗になる。山の暗さは町の暗さとは全く違う。

 

義弟にヘッデンを持たせなければ怪我をする。そうしたら私は真っ暗闇を歩くことになる。しかも全員チーフリーダーの意味が解ってない。それでも最後尾を歩いて全員の安全を確保しなければならない。それはキスリングにいっぱい荷物を背負わされ朝から晩まで飯炊きするより辛いことなのだ。

 

もちろんそんなこと言うつもりもないし、言ったって解らない。有名な山にしか上るなとは言う。天気予報の精度が格段に進歩しているし、名山なら登山道が整備されてるし、山小屋や避難小屋もある。誠に安全なのだ。