昨日書いた退部届けを手に握り職員室に向かった


ガラガラ


「失礼します・・・」


俺は顧問の先生の退部届けを渡した


「桑原、これはみんなに話したのか?」


もちろん話してはいない


「いえ、でもみんなに言っても俺のやめる意思はかわりません」


すると


「チームメイトに話してやめるとは・・・、これは預かれん」


「そんな!」


そして職員室から追い出された


仕方なく練習しているみんなのところへ向かった


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「紳太、今日桑原が来るらしいよ。」


「そうか~ついに練習参加か?!」


「わからないけどそうだといいね」


するとそこに桑原の姿が


「あれ桑原?どうした?僕に用事でもあるのかい?」


「はい・・・みんなを集めて下さい」


瑠華はうなずき、周りに集合させた


「みんな聞いてくれ、俺はサッカー部をやめる」


すると


「「「ええっぇぇぇぇ!!!」」」


桑原は話を続けた


「いま母が入院しているんだ、だからやらなきゃいけないことがある。」


そして最後に


「さよなら」


といい


なぜか退部届けを渡した

俺は早くから父を亡くし、母さんに育てられた


親父は元名ゴールキーパーだった


親父は俺に「みずき」となずけ、いつかサッカーをともにするのが夢だったらしい


俺は少しキーパーの経験はあるが大体のポディションはこなせる


桜田に入ってからは母さんが病に倒れいつも見舞いに行っている


だから部活にはいけていない


試合が近いのはわかっている


みんなにめいわくをかけるわけにはいかない


だから今日退部届けを書いた


俺がやめれば桜田は強くなる・・・


絶対に・・・

全国ナンバーワンとやれる機会などほとんどない・・・


俺たちができることをやるしかない・・・


だからあいつの力が必要なんだ


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「桑原、遊び行こうぜ!」


「わりい、無理だまた今度な!」


母さんが入院して1週間。サッカーボールにはほとんど触っていない


加藤、木崎はサッカー部に戻ったし大丈夫だろ


俺がいなくても桜田高校サッカー部は強いから


俺がいると駄目になってしまうから・・・

昨日のことから一日がたち練習が始まる


するとそこには・・・


「今日からサッカー部に正式に入部した木崎裕也だ・・・いままで迷惑かけた。これからよろしくお願いいたします」


木崎の姿が!!


「木崎!来てくれたのか!」


大矢が笑顔で握手を求める


「すまなかった」


と木崎が握り返す


みんながわいわいやっているなか


「ここであの大会のことなんだが、対戦相手がきまった」


キャプテンが話し始める


「一試合目、二試合目はやった事のある高校だが・・・三試合目はインターハイ制覇した東京秋葉高校だ!!」


「「「ええ!!!」」」


「だが木崎も加藤も戻ってきた、勝てない相手ではないだろ!僕たちの練習したこの努力みせつけてやろうさ」


こうして小さな大会に全国ナンバーワンが来ることになった


「ルールは簡単、俺たち3人から1点でも取れたらお前の勝ち。」


「負けた場合は?」


「一生パシリな!!」


空き地で簡単にゴールを作り5分間行う


「いくぜ!!」


木崎はぼろぼろになりながらも必死になってボールを追う


「まだ始まったばかりだぞ~」


「ほれほれ~」


バカにしているのが見え見えだった


「もらった!!」


シュートを打った・・・


これが入れば木崎の負けだ・・・


「しまった・・・」


「大矢やばいよ・・・・・・っていない!」


ゴールの前に大矢がいた


「あんたらかっこ悪いよ・・・よりによって3対1でさ・・・」


「なにもんだよ!!」


「桜田高校1年大矢篤人!!」


こうして、大矢が木崎のチームに入り見事勝利を収めた


「おぼえてろよ!!」


「いつでも来いよ!先輩!」


木崎が大矢のことを睨みつける。


「なぜ、余計なことを・・・」


「だって、なんか・・・その・・・」


木崎がボールを大矢に渡した


「来いよ・・・」


大矢と木崎の1対1が始まった


大矢はシザースを繰り出すが簡単に取られてしまった


「もう一回!」


何度も何度もやったが結果は同じだった


「くそ~抜けないな~」


「もっと早くまたいで、重心を下げる。これができていないから簡単にとられるんだ。」


木崎は大矢にそういうと


「俺は・・・サッカーが・・・したい・・・」


木崎はどこかへ行ってしまった

次の日の放課後木崎が学校に来てることを知った


あいにく部活が休みだったので後をつけるため木崎を探した


まずは教室


俺たちは1-A


木崎は1-C


なので大矢と二人で向かった


「木崎いますか?」


「きゃあ!!大矢君だわ!!」


俺はこのとき疑問に思った


なぜ俺がいますかと聞いて大矢に女子が集まったのかを・・・


「あははは・・・」


大矢は迷惑そうだ


イケメンはいいよな・・・


あたりを見回しても木崎はいない


このあと30分学校の中を探したがいなかった


「帰るか~」


「そうだね」


っと思ったとき木崎がいた!!


「いくぞ大矢!!」


「待ってよ!」


ダッシュで追いかけた


曲がり角のとこで怪しげな人たちと話してる木崎


俺たちは木崎の話しを盗み聞きした


「先輩・・・俺・・・」


「何だ木崎?言ってみろ」


「俺、先輩たちと縁切ります・・・」


「何だと!!」


「俺、サッカーがしたいです!!」


「ふざけるな!!サッカーが嫌いなお前がなんでそんなこと言うんだ?」


「自分の気持ちに嘘はつけません・・・」


「くそっ!!なら勝負だ!」


「え?」


「3対1のミニゲームでな!!」

久しぶりに戻ってきた加藤。


木崎はどこにいるかわからないし、桑原は学校には来てるが帰宅してしまう・・・


幸先不安の中、嬉しいことが!


「1か月後、小さな大会に参加することができました、楽しみましょう!」


大会・・・俺たちにとって最初の公式戦だ!!


でも、木崎や桑原がいない中どうすればいいのか・・・


迷いがある中練習が始まった


「紳太!こっちだ!」


「秋也カバー!」


「中西意地見せろや!!!」


練習に熱が入る。


「丈には行かせるな!」


「僕が行く!!」


そして


2時間後


練習が終わった


帰り、大矢と須田と帰った


たまたま木崎を見つけた


「あれ、木崎じゃね?」


「お~い木崎!!」


須田が呼ぶと木崎は俺たちのほうを見て鼻で笑った


「何で学校来ないんだ?」


俺が問う


「貴様らといるとつまらないから。かな」


「サッカーやめたのか?」


「サッカー?笑わせるな!!あんなもの当にやめ・・・」


木崎は最後の言葉をにごらせた・・・


「どうした?」


大矢が顔色を伺うが


「なんでもない!俺にかまうな!」


と強気の発言


「明日でも明後日でもいいから、練習来いよ!!」


須田が最後に言った


「練習か・・・俺も・・・」





キャプテン発表から1日がたち部活に行くと人数が少ない・・・


「木崎と桑原、加藤は?」


俺が尋ねると


「今日、学校にも来てないぜ」


と、丈が答える


「そうか~」


だがこの1週間3人は一度も部活に顔を出さなかった・・・


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「おいみずき~」


「どうした、みかん?」


「ルカたちが俺たちのこと探してるってよ~」


「ふーん」


と空を見上げる


「いいのか?このままで?」


「・・・」


「俺はまだしも、みずきはレギュラーなのに練習しなくていいのかよ」


「・・・」


「俺、さっかーやりて~な」


「やればいいじゃん、わざわざ俺についてこなくていいんだぜ・・・」


「なんだよそれ~」


「じゃ、俺は用事があるから。明日部活行けよ。」


「おい、みずき~」


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次の日加藤が部活に来た


「今まで何してたんだ?」


瑠華の問いかけに加藤は


「今までずっとみずきといたんだ・・・ここ最近みずきは元気なくて・・・」


加藤はうつむいたまま、顔を上げない


「そうか、木崎はどこにいるかわかるか?」


「いいや・・・わかんない」


「これから、真面目に部活来いよ」


こくりとうなずいた


「はい自己紹介!」


「ええ~」


「みんなお前のことを忘れてるかも知れないんだよ?」


「加藤・・・御影です・・・」


「よろしい!」


「瑠華練習!!」


「よし!はじめよう!!」


こうして一人戻ってきた


残り二人

「よし、みんな集まったな。」


「誰がキャプテンでも文句言うなよ」


そして、キャプテンに選ばれたのは・・・・・・・


「平田瑠華」


ルカが選ばれた


桜田高校はキャプテンのやる気で強さが決まる・・・


なぜなら、顧問の先生はいるけども、キャプテンに練習を考えさせるサッカーだから


「今日からキャプテンだ」


「はい!がんばります。」


そして副キャプテンは


「小野春斗」「出口秋也」


DF二人からの選抜だった


こうして真・桜田高校サッカー部は幕を開けた


はずだった・・・

先輩達は引退した・・・


三波先輩、鉄太先輩はプロを狙うため大学受験に向け努力の日々


俺たちも、冬の全国高校サッカー大会に向け練習に励んでいるがキャプテンは決まってない・・・


「・・・・・・きろ・・・・・起きろ・・・起きろ!!」


「わっ!!!」


大きな声を出して目覚めた


「天童君、サッカーを熱心に取り組むのはいいけど、勉強にも真剣に熱心に取り組んでくださいな!!」


先生がそういうと、ちょうど授業が終わった・・・


「紳太君部活行こう!!キャプテン発表は今日だよ!!」


笑顔で言う大矢、少年だ


「いくぞ、大矢!!早く用意しとけよ!!」


「いつでもいいよ」


「OK。よーいドン」


俺たちはダッシュでグラウンドに向かった



「ついた~」


「速いよ、紳太君・・・」


俺たちが最初についたらしい


「いないね~」


「よし、ストレッチやって軽くボール蹴ってようぜ!」


俺の提案でみんなが来るまですごした


「見ろ大矢!!俺が開発したスーパーシュートを!!」


「甘いよ紳太君!僕のほうがまだすごいよ!」


「なにを~」


「どうだ!」


「負けるか!!」


そうしてるうちに、みんなが来た


「おーい紳太、俺も混ぜろ!!!!」


丈が来て


「うるさいな~静かにできないのかよ~」


瑠華が来て


「キーパーは俺がやる!!」


中西がきて


「丈は速すぎる、僕待たないとは・・・まったく」


連が来て


「もらい!!」


須田が来て


いつの間にかみんながそろってきた


すると


「おーい、キャプテン発表だぞ!!」


出口が叫んだ


「みんないこ・・・・なに!!」


俺が誘う前にすでにダッシュで向かっていたのだ


「せこいぞ!!」


いよいよキャプテンが発表される・・・