全国共同制作プロジェクト
歌劇「フィガロの結婚」-庭師は見た!- 新演出


日 時2015年6月6日(土)開 演14:00  

上演スケジュール   25分の休憩を含む3時間30分間




会 場兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

■演目
「フィガロの結婚」(全4幕・字幕付/イタリア語上演&一部日本語上演/新制作)

指揮・総監督 井上道義

演出 野田秀樹

アルマヴィーヴァ伯爵ナターレ・デ・カロリス
アルマヴィーヴァ伯爵夫人 テオドラ・ゲオルギュー

スザンナ(スザ女) 小林沙羅
フィガロ(フィガ郎) 大山大輔

ケルビーノマルテン・エンゲルチェズ

マルチェリーナ(マルチェ里奈)森山京子
ドン・バルトロ(バルト郎) 森 雅史
バジリオ(走り男)牧川修一
クルツィオ(狂っちゃ男) 三浦大喜
バルバリーナ(バルバ里奈) コロン・えりか
アントニオ(庭師 アントニ男)廣川三憲

合唱新国立劇場合唱団

管弦楽兵庫芸術文化センター管弦楽団

声楽アンサンブル
佐藤泰子  
宮田早苗  
西本会里  
増田 弓  
新後閑大介  
平本英一  
千葉裕一  
東 玄彦  

演劇アンサンブル
川原田 樹  
菊沢将憲  
河内大和  
近藤彩香  
佐々木富貴子  
長尾純子  
永田恵実  
野口卓磨


【PR概要を転写】
これは見逃せない!巨匠2名による最強モーツァルト・オペラ!
病気療養のため半年間の活動休止からの復帰を果たし、今後の活動が注目されるマエストロ・井上道義と、劇団夢の遊眠社、NODA-MAPなど日本の演劇界で創造性あふれる舞台を創り続けてきた演出家・野田秀樹。常に最前線で疾走する鬼才二人が、満を持してモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」に取り組みます。井上マエストロ得意のモーツァルトを、2004年のヴェルディ「マクベス」(新国立劇場)以来、11年ぶりのオペラ演出となる野田が、果たしてどのような舞台に仕上げるのか。
イタリア語と日本語が飛び交い、ケルビーノ役をカウンターテノール歌手が務めるなど、「新演出」の仕掛け満載、興奮の注目作!全国の劇場・音楽堂等による共同制作プロジェクトです。

       

面白かった~!!!

何が面白かったって その全てが!

ふたりの巨匠のコラボ

音楽(オペラ)と演劇のコラボ

日本人と西洋人のコラボ

日本語とイタリア語のコラボ

和装と洋装のコラボ

これらの「コラボ」は「融合」とも置き換えられる

初めて観る「野田秀樹」演出作品

これって モーツァルトの作品よね?
そう あの有名な『フィガロの結婚』だよね?

それがこの野田演出では 物語の舞台はスペインではなく日本の長崎になる
時代背景は黒船来航の頃

ゆえに 役柄の名前は「フィガロ」=「フィガ郎」
「スザンナ」=「スザ女」

(笑)

「バジリオ」に至っては「走り男」となる(爆笑)

舞台上の大道具も和

開場後 客席に足を踏み入れると そのステージ上の景色に驚いた

八百屋舞台上に襖とおぼしき扉が3つ
れっきとした和な庭師がチョッキン チョッキンと剪定中ときた

演出については全く予備知識無しだったので いきなりのこの演出には笑った

実際の登場人物もイタリア人はイタリア語で語り&歌い 日本人は日本語で語り&歌う

字幕もしかり
日本語とイタリア語が共存しているので どちらにも日本語の字幕付き

(そう この字幕→台詞といっていい 野田さんの訳らしい
字幕が舞台上部に在る
今迄オペラや海外ミュージカル等を観てきたけれど字幕はサイドか下部とお決まりだった
字幕が大きくて意味もわかりやすくて舞台上部にある事がこれほどまでに字幕ばかりを追い
登場人物がどう演じているのかを見落とすという今迄の観賞から解き放たれた
ゆえに各段に楽しむ事が出来た)

元来が言語に合わせて創られたオペラゆえ それを日本語で演じるとなると
音楽に乗せた台詞は流れが不自然になる事は当然のこと
なのだけれど
イタリア語と日本語が上手い具合に混在していたので その違和感も免れ
かつ意味もよくわかるという絶妙の効果をもたらした

私 イタリア語わかるのかしら?と錯覚するほど(笑)

有名なアリアは本来あるべき姿で 素晴らしいオーケストラ演奏と共に紡がれた

私にとって 今年2度目となるマエストロ井上道義の指揮は
それはそれは幸せとリズムに満ち溢れたものだった

オーケストラピットはバリアフリー
地下や舞台袖に押しやられる事なく客席つながり
客席からその様が全て見えるので
楽士たちの演奏の姿にも視線は行くし マエストロの指揮も全てが視界に入るので
音楽とともにある幸せオーラがビシビシ伝わってくる!
おまけに 上演中に庭師との掛け合いまであるという前代未聞のご活躍!
最高だった~

兵庫芸術文化センター管弦楽団の演奏は大ホールも素晴らしいからだろう
まろやかな音でモーツァルトの数多きオタマジャクシが幸せそうに飛び交っていた
そう
モーツァルトの音楽はまろやかな音で より脳に響いてくる

何より何より オーケストラの生演奏が大好きな私には至福の時だった
オーケストラの演奏だけでも マエストロ井上の指揮だけでも大満足な時間&空間なのに
舞台上ではオペラも繰り広げられる
ありえないエンターテインメント!!

そして
今回の私の中での最もの注目!

念願のソリスト「大山大輔さんの歌声」
それはそれは 素晴らしいものだった
まず感じるのが「丈夫」なお声
そして甘い事

その上に これは持って生まれたものね
涼やかで端正なお顔に和装(というのか 和装のような洋服と言う雰囲気のお衣装)が良くお似合い

所作もそれに相応しい
華やかさとコミカルさと品格を持ち合わせて自由自在にそれを繰り出す事の出来る方

いつもの観劇のお仲間さんが大絶賛する理由が今更ながらにわかった

これは劇団四季『オペラ座の怪人』のファントムとして客演出演されていた時
是が非でも聴いておくべきだったなあと後悔の念…

スザンナ(スザ女)役のソリスト小林沙羅さん
小林さんのソプラノも物語が進めば進むほど声に強さと艶と豊かさが出てきて
終盤はうっとりするほど素敵なソプラノだった
彼女もまたコミカルさとキュートを持ち合わせた素敵なソリストだった

他にもケルビーノ役のマルテン・エンゲルチェズさんのカンターテナーが聴けたのは興味深かった
オペラではズボン役が多いのに この作品ではこういう演出
これも喜劇としての面白さの一役を担っていただろうな

この作品は全国公演
10都市13公演が計画されている






春期公演として5月26日金沢歌劇座(石川県)で始まり
先日フェスティバルホールでの大阪公演を経て
昨日&本日と兵庫県立芸術文化センター・大ホールでの兵庫公演

これから6月中に香川公演~神奈川公演と続き
秋期公演として10月には東京公演~山形公演~宮城公演~宮崎公演~熊本公演と繰り広げられる

各地の素晴らしいホールで 各地のオーケストラで上演される作品!
これは是非とも多くの方に体感していただきたい新感覚オペラ!
新演劇とも言えるかな

観なきゃ勿体ない!!と超オススメしたい作品と言える!!

お誘いくださったお仲間さん
素晴らしいお時間をくださり本当にありがとうございました!