ずっと疑問に思っていたことがあります。
日本の小学校では、2年生になると当たり前のように学習するかけ算九九。
私の中学・高校の免許の一つは英語なので、アメリカ人など英語圏の友人も何人かおります。
しかし、彼らの国に「かけ算九九」のようなツールがあるという話は、耳にしたことがありませんでした。
先日、学校の方に定期的に派遣されてくるALT(英語指導助手)のS先生に、九九の表を見せながら、話を聞いてみました。
彼は、アングロサクソン系のアメリカ人です。
メイフラワー号による英国からの移民のようです。ご先祖は。
「かけ算」というものについて勉強はするけれども、九九のような形で暗記したことはない、と。
ええっ?「じゃあ、6かける7なんて、どうですか?」
「ええっと、何だっけ。」と言いながら、時間をかけて、ようやく「42だったかな。」
九九のように合理的に覚えるのではなく、それぞれの段を丸ごとブロックでざっと覚えるだけなので、使わないと忘れるようなことを言っていました。
合理的な国のはず。じゃあ、授業中どうしているんだろうと思ったら、中学校になると計算機の使用が認められ、暗算が苦手だった子も、これでバッチリになるとか。
テストの時など、計算機を忘れたらどうするか。
何でも、ノートの裏表紙に「かけ算チャート」というものがついていて、それをつかってもOKだそうで。
細かい買い物をしたときも、レジの機械が計算してくれるし、カード社会だから、おつりなんかもあんまり気にしない。(らしい。)
硬貨の種類は、いろいろあるようですが、便利なのは、日本にはない25セント硬貨(クォーター)で、よく使うといいます。
そうか、25の倍数なら、なんとなく楽そうですね。
半端な値段の品物には、1ドル札を何枚か出したり、5ドル札で払ったりして、日本人のようにその値段に合わせて、細かく出す。って、あんまりしないな、と、彼。
九九を含め、暗算が苦手というか、あまり気にしないというか、おつりの渡し方一つとっても、違いますよね。
「差」の分を、払った金額になるまで足してくる。
IT関連では、世界をリードする国、アメリカ。
でも「7かける8は?」「うん、ちょっと待って。えーと・・・。」。
「さんぱ~、にじゅう~し ♪♪♪~」
と、かけ算九九暗記用ミュージック にのって、鼻歌まじりで食後の歯磨きしている日本の2年生って、なんだかすごいかも!!