学校教育の基本となる学習指導要領が、今年度新しくなってスタート したことは、何回かお伝え致しました。
算数の場合、これまでのキーワードは「わかる」「できる」でしたが、今回はそれに「使える」ということも重視されるようになったのではないかと思います。
例えば、日本の子どもたちは、グラフ表現の読み取りが未熟である等ということが言われていましたが、せっかくの学力が、使える知識になっていないのですね。
しかし、算数というのは既習事項を生かしやすい教科です。
前に習ったことを使って新しい課題に挑戦させようとしたときに、「知っていることを使って。そうすればまだよく分からないこともなんとかなるからね。」という経験をさせやすい。
そして、算数という教科の中にとどまらず、他教科の中でも使ってみる。
先ほどのグラフの例などは、理科や社会科など、でも使えるということです。
使ってみて、確かに使える。という実感が伴ったものになっていないといけないと言われます。
中学、高校と進み、算数が数学になってくると、そこで習得した学力を使うのは、専門的な仕事になってくるでしょう。
小学校の算数は、時計にしろ、たし算・ひき算にしろ、長さにしろ、比にしろ、それらはすべて、毎日の生活の中で使っていくものなんですね。
6年生の今の時期、その「比」の学習が進んでいると思います。
この考え方が、6年生の山場の一つなのですが、これが使えると、生活の中のいろいろな場に応用できる。
ある教科書会社の場合、「ハンバーグソースの作り方:ウスターソースとトマトケチャップの割合」で導入しています。
一人分、スプーンで2杯と3杯でおいしく作れる。
二人分になっても同じ味に作るには、4杯と6杯になる。
三人分になれば、6杯と9杯である。
これらは、「2:3」の比である。
ということで、算数の力が使えると、ハンバーグがおいしく食べられるわけです!