小池知事は八丈島でも報道陣から逃げまくり 囲み取材ナシ&学歴詐称疑惑の問いかけにピリつく

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百合子が“ユリコ”に(八丈島で「ゆーゆー牧場」を視察する小池百合子都知事)/(C)日刊ゲンダイ

 会いに来たぞ! 百合子──。3選を目指す東京都知事選(7月7日投開票)で、小池知事がようやく初めて街頭に立ったのは八丈島。初当選した8年前も告示翌日にかの地で演説したとはいえ、大勢の聴衆を避ける「ステルス作戦」は海をも越えた。船で揺られること10時間半、日刊ゲンダイ記者は現地に向かい「会いに行けない知事」を追った。 【小池百合子と学歴詐称】(写真)舛添要一、カイロ大首席卒業に「学生は私1人だから」と…37年間、見事にだまされた ■フリー記者の問いかけに「つばさの党の人?」  22日午後1時、15人ほどの報道陣が待つ中、SPらを従えた小池知事が空港に到着。約1分の歓迎セレモニーで花輪をかけてくれた子供たちと記念撮影を済ませると、フリー記者の「ヤジが嫌で八丈島ですか」との問いかけに「つばさの党の人?」と捨てゼリフを吐き、そそくさと車に乗り込んだ。  向かった先は八丈島乳業運営の牧場だ。くしくも同じ名前の乳牛「ユリコ」に島特産のアシタバを与え、「あーすごいすごい、百合子がユリコに」と満面の笑み。質疑応答の機会は設けず、しびれを切らしたフリー記者が「カイロ大卒業が」と質問しようとすると同行した小池知事の元秘書で「都民ファーストの会」の尾島紘平都議が一目散に飛んできて「ここは私有地。静かにしていただかないと出ていっていただきます」とスゴんだ。  演説会場「底土港」の駐車場内で200人ほどが金属探知や荷物検査を受け、周囲にも100人近く集まった。聴衆から遠く離れた小池知事は海を背に“映える”ロケーションで特産の絹織物「黄八丈」のスカーフをまとい「この島は東京にとって大事。選挙の時は八丈島に来るのがお作法だと思っています」とアピール。 ■「選挙の時だけ来て八丈島の何が分かるの?」  たびたび拍手が起こる和やかムードが終了の瞬間に一変。複数のフリー記者から学歴詐称疑惑を問う声が飛ぶと、再び尾島氏が駆け付け「選挙妨害です! 選挙妨害やめてください!」と張り詰めた声で言い放つ。小池知事は何のソノで、にこやかに聴衆に近寄りグータッチ。  民放記者の「どうして八丈島を最初の演説に選んだのですか」という質問さえスルーした。この日は最後まで囲み取材などはナシ。都庁クラブの記者も「理由の説明もなく、なぜ強く出るのか」と不満を漏らした。  告知は小池知事本人のSNSだけで、「え! 小池さん来るの?」と知らない人も多かった。島民の小池評は上々だが、「選挙の時だけ来て八丈島の何が分かるの? 高齢化がひどく、目立った働き口もない。金が入るのは土建業ばかり。小池さんが何をしてくれたのって感じ」と冷めた声も。  小池知事は午後5時25分発の飛行機で帰路につき、滞在は正味4時間半。島が舞台の露骨なパフォーマンスに気を良くしたのか、自身のSNSに活動報告を連投した。見事な逃げまくり作戦はとても現職知事とは思えない。 (取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ)