都知事選出馬表明の石丸伸二氏にオバ記者が突撃!「大学時代の交際歴はない」「読んだ漫画は2万冊超」…その素顔に迫る

 

石丸伸二氏にオバ記者が突撃!(撮影/楠聖子)

石丸伸二氏にオバ記者が突撃!(撮影/楠聖子)© NEWSポストセブン 提供

 安芸高田市──広島県の中心部に位置する人口約2万7000人の小さなまちが、ひとりの男によって大注目された。その男の名は、石丸伸二。元・同市長だ──“イマドキの若者”らしく、SNSを駆使して議会の悪習を世に問い、わずか4年で財政を健全化させた。そんな彼が次に着目したのが都政。それを聞いて「黙っていられない」と言うのが、本誌・女性セブン最古参の名物ライター「オバ記者」こと野原広子。彼女が退庁日直前に突撃した!

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 東京から新幹線やバス、車を乗り継いで約6時間……「遠いわ~」と言いつつも期待に胸を膨らませながらやってきた広島県安芸高田市。通された市長室で、石丸さんは笑顔で待っていてくれた。

 

 第一印象は好青年──古株の市議に「恥を知れ! 恥を」などと声を荒らげ、問題提起をしたような人物とは思えない。まずは、議会の様子をSNSで発信した真意を聞いた。

叩かれるのは百も承知。覚悟して発信を続けた

オバ記者(以下、オ)「私は昨年の夏から1日も欠かさず、YouTubeの『広島県安芸高田市公式チャンネル』の議会中継を見続けてきました。あれって橋田壽賀子脚本のドラマ『渡る世間は鬼ばかり』みたい。市長と市議たちの激しい言葉の応酬は見始めたらクセになります(笑い)」

石丸さん(以下、石)「ありがたいことです。私としては4年前に財政危機に瀕したこのまちの市長になったときから、まずはSNSを通して注目を集め、“地方のいま”を広く知ってもらおうと決めていました。田舎の議員特有の意識や考え方を包み隠さず公表したら話題になるだろうなと」

オ「それがハマった? でも周りから叩かれたでしょう。家族や親せきは大変だったんじゃないですか?」

石「そうですね。家族には申し訳ないですが、反発があるのはわかっていました。でも、そうでもしないと田舎の衰退は止まりません。覚悟を決めて発信し続けました。怒っている風に見せて冷静に、どこがどう切り取られてバズるかなど、常に意識して発信していました」

オ「それにしても、親と同世代の市議たちを遠慮なくぶった斬る石丸さんって、どんな子だったんですか?」

石「ぼくは兄と妹の間の次男。兄はおっとりした性格ですが、ぼくは利発で成績がよかった。小賢しいというか早熟というか(笑い)。それなのに親からはあまりほめてもらえなくて、割に合わないなと……。どうしたらよいか考えた結果、“もっとがんばろう”と」

オ「ご両親はそんなに厳しい人だったの?」

石「いえいえ、典型的な田舎のおじちゃん、おばちゃんです。父はしつけに厳しかったですけど、基本的にはのんびりした夫婦。家族でテレビに出演したときも、化粧をして身なりを整えようなんて、考えも及ばない人たちですね。でもそれって市議会議員たちにも通じていて、全世界に自分の顔や発言が発信されるということがどういうことか、ピンと来ていない。自分の世界は半径2kmくらいで、その先にいる人たちが何か言っても自分たちには関係ない、と思っているような節がある。そうした閉鎖的な発想はおそらく田舎に暮らす人たちに共通するんじゃないかな。地方の衰退はその閉鎖性にこそあると思います」

 

硬派で奥手な学生時代。女性はいまだ苦手?

オ「石丸さんは京都大学に進学されました。両親の年収は500万円くらいと動画で話していましたが、大学進学は大変だった?」

石「入学金と4年間の学費を合わせた約250万円は、親が出してくれました。就職してから両親のための車を購入するなどして全額返しましたが。生活費は奨学金の月8万円とバイト代で賄いましたね。食費は1日500円。朝昼晩とも米と卵ともやし。大学の学食は贅沢品でした」

オ「“青春”はどうしていたんですか?」

石「え? サークルですか? ぼくはほぼ男子学生しかいないジャグリングサークルに在籍して……」

オ「いや、そうじゃなくてさ、彼女は?」

石「ああ(笑い)。高校時代にいましたが、大学時代の交際歴はありません。それよりジャグリングの腕を磨こうと必死になっていましたね。彼女ができたのは社会人になってからでした」

オ「そこからブレーク?」

石「モテたいという思いは人並みにあるんですが、いまひとつ熱意に欠ける。ビジネスの交渉だったら理論的な話し合いができますが、恋愛は正論が通じない。切り札を出しても、それを無視してドーンと落とされるみたいな。それが性に合わないみたいで(笑い)」

オ「市長として忙しい日々を送っている中で、家に帰って風呂が沸いていたらいいなって思ったことは?」

石「それがないんですよ。家に帰って洗濯をする、風呂を洗うという作業が、ぼくにとっては大事な日課。片づけていくうちに心が落ちつく。調和が保たれる。誰かがいるとそうはいかないから」

アルゼンチンで見えた日本の未来の危機

オ「色っぽい話をもう少し聞きたいところだけど、アメリカでの生活も気になるんですよね。何才のときに渡米したの?」

石「30代の前半ですね。為替アナリストとして主に南米を回って講演をしていました。アルゼンチンを訪れ、その経済状況を目の当たりにしたとき、日本ほど平和な国はないと実感したんですよね。でも、少子化が止まらない日本はこれから間違いなく衰退していく。その傷を少しでも小さくするにはどうしたらいいか──傍観者ではなく、自分も何かしないといけないと、切実に思いました」

オ「それで帰国して間もなく、市長に立候補か……」

石「ちょうど地元の市長が辞職して、タイミングがよかったというのもありますが……」

 

オ「閉鎖的な田舎が嫌で広い世界に飛び出した結果、日本のすばらしさと問題点に気づけた、というわけですね。

 私が67才になって思うのはこれからの政治は若い人が参加した方がいいということ。20年後の日本に本気で責任を持とうとする人が政治をしないと……。ですからどうか都知事選がんばってね。オバながら応援しています」

石丸伸二さんの素顔に迫るあれやこれや1問1答

Q.犬好き? 猫好き?

A.「犬ですね。飼ったことはないのですが、いつか犬と散歩をしてみたいです」

Q.好きな漫画は?

A.「『三国志』を新解釈で描いた『蒼天航路』(講談社)。これまで読んだ漫画は2万冊超。一作にしぼるのは難しいですね」

Q.走っているとき(トライアスロン)は何を考えている?

A.「う~ん、特に何も考えていません。苦しかったり痛かったりするので、生きていることを実感しています」

Q.いちばん得意な料理は?

A.「ロールキャベツ。いまは忙しくて無理ですが、大学時代から自炊しているので料理は得意です」

Q.最も大切! これがないと生きていけないものとは?

A.「ズバリ! 漫画です!!」

Q.朝は何を食べた?

A.「セブン-イレブンのサンドイッチです。コンビニエンスストアはよくお世話になっています」

Q.ルーティン(日課)を教えて

A.「朝6時に起きて30分(3~5km)ほど走ります」

Q.憂さ晴らし、何をする?

A.「“憂さ”がないので(笑い)。でもトライアスロンのトレーニングをするかな」

Q.好きなファッションブランドは?

A.「今日のスーツもそうなんですが、EDIFICE(エディフィス)です」

Q.100m何秒で走れる?

A.「え!? わからないなぁ、13~14秒くらいかと」

Q.いちばん苦手なことは?

A.「女性、というか彼女との会話です。正解がわからないんですよね(苦笑)」

Q.なぜ政治の道へ?

A.「危機感です! 何とかしないと!!」

Q.『女性セブン』の印象は?

A.「病院の待合室にあるイメージ。あと、皇室の話題が豊富なのが珍しいなと」

Q.石丸伸二を一言で言うと?

A.「次男坊! え? エリートですって? いえいえ、田舎の次男坊ですよ(笑い)」

石丸伸二さんの経歴

1982年

8月12日、広島県高田郡吉田町(現・安芸高田市)生まれ。父は会社員、母はパート勤務。兄と妹がいる。

2002年

広島県立祇園北高等学校卒業後、浪人を経て、京都大学経済学部へ進学。

2006年

三菱UFJ銀行に入行。姫路支店に配属。

2014年

為替アナリストとしてニューヨークに赴任。4年半駐在して帰国。東京に住む。

2020年

7月3日、児玉浩安芸高田市長(当時)が、河井克行前衆議院議員から現金計60万円を受け取ったことの責任を取り、市長を辞職。これらを受けて7日、立候補を決め、翌日銀行に退職を連絡。22日に出馬表明。8月9日、第4代安芸高田市長に就任。

9月25日、市議の居眠りを指摘し、SNSに投稿。

「財政の健全化」「小中学校の給食費無償化」「婚活事業の打ち切り」「副市長の公募」「高校の生徒会長へ100万円を託す」「ふるさと納税寄付額を増やす」など数々の改革を手がける。SNSを活用し、安芸高田市の知名度を上げていく。

2024年

1月18日、安芸高田市YouTube公式チャンネルの登録者数が20万人を超え、自治体の公式チャンネルとして全国最多に(現在は26.8万人)。

5月16日、東京都知事選挙に出馬の意向を表明。6月9日、市長の任期を終えた。

【プロフィール】

石丸伸二/1982年広島県生まれ。京都大学経済学部卒業後、三菱UFJ銀行に入行。為替アナリストとしてニューヨークに赴任し、アメリカ大陸の主要9か国25都市で活動。2020年、安芸高田市長に就任(2024年6月9日付で辞職)。東京都知事選挙に無所属・政党推薦なしでの出馬を表明。独身。

野原広子/フリーライター。1957年茨城県生まれ。“オバ記者”の愛称で親しまれ、体当たり取材が人気。『あさイチ』(NHK)などテレビ番組にも出演。著書に『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』(小学館)。本誌では「いつも心にさざ波を!」を連載。

※女性セブン2024年6月27日号