【速報】世界初“木造”の超小型人工衛星が完成 大気汚染の原因物質が発生しないメリット 京大など 9月にISSに移送し1か月後に宇宙空間に放出へ

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 京都大学住友林業の研究グループは28日、世界で初めてとなる“木造”の人工衛星「LignoSat(リグノサット)」が完成したと発表しました。 【緊急特番】かんさい情報ネットten.近畿各地の大雨最新情報  お披露目された人工衛星の重量は約1キロで、大きさは約10センチメートルの超小型の衛星。材料はホオノキが使われ、ネジや接着剤を一切使わずに強固に組み上げる「留形隠し蟻組接ぎ(とめがたかくしありくみつぎ)」と呼ばれる日本古来の伝統的技法を採用しています。  今年9月に米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げ予定のスペースX社のロケットに搭載して国際宇宙ステーション(ISS)に移送し、約 1 か月後に日本実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出される予定だということです。  京都大学と住友林業の研究グループは、2020年に「宇宙木材プロジェクト」を立ち上げ、2022年に国際宇宙ステーションに試験体の木材を運び、宇宙空間上で木材が劣化しないかなどの確認を進めてきました。  木造の人工衛星は、運用が終了した後、大気圏に突入する際に、完全に燃え尽きるため、大気環境の汚染の原因となる物質を発生させないというメリットがあるということです。  研究グループは、国際宇宙ステーションから人工衛星が放出されてから、木造構体のひずみや内部の温度分布などを測定し、京都大学にデータ送信し、得られたデータの分析を進め、宇宙空間での木材活用の拡大を目指すとしています。  午後2時から記者会見を開いた元宇宙飛行士の土井隆雄・京都大学特定教授は、「4年間の研究開発で大変苦労しましたが、現在は完成してほっとしています。将来的には宇宙ステーションを木で作りたいと思っています。今回の研究で木材にどのような変化が起こるのか、非常に興味を持っています」と語りました。