ブレーブス戦に先発したダルビッシュ=USAトゥデー

ブレーブス戦に先発したダルビッシュ=USAトゥデー© 読売新聞

 【アトランタ(米ジョージア州)=帯津智昭】米大リーグは19日、各地で行われ、パドレスのダルビッシュはブレーブス戦に先発し、7回2安打無失点、9奪三振の好投で今季4勝目(1敗)を挙げ、日米通算200勝を達成した。試合は9―1だった。ドジャースの大谷はレッズ戦に2番指名打者で出場し、延長十回に移籍後初のサヨナラ打を放つなど4打数2安打1打点だった。試合は3―2だった。パイレーツ戦に2番指名打者で出たカブスの鈴木は、犠飛を放って1打数無安打1打点だった。チームは2―3で敗れた。

 大記録がかかる試合でも、パドレスのダルビッシュは淡々と投げ続けた。悪天候で中止となった前日の試合からスライド登板。調整の難しさを感じさせない完璧な投球だった。

 

 多彩な変化球を操るダルビッシュらしい投球だった。大リーグ公式データサイトによると、この日投げたのは8球種。真骨頂は四回で、ナ・リーグ本塁打ランキング2位の12本塁打を放っている3番オスナに対し、追い込んでから94・3マイル(約151・8キロ)の直球を投げ、最後は球速差のある77・2マイル(約124・2キロ)のナックルカーブで空振り三振を奪った。

 37歳のベテランを支えているのは、尽きることのない向上心と高い意識だ。今月、ドジャースと対戦した際には、今季から加入した山本のブルペンでの投球練習を後ろから見学した。自分の投球に生かすために間近で見たかったといい、「どういう体の動きか、ブルペンでどういうことを意識しているのか、ちょっと理解できた」。年齢による体の変化にも対応している。バッテリーを組む捕手のキャンプサノはジムで体を鍛えるダルビッシュの様子を見て、「体形を維持していて、彼は28歳に見える。まだ全盛期だ」と驚く。

 味方の大量得点の援護もあって、悠々と7回を99球で投げきった。メジャー自己最長となる25イニング連続無失点も達成。プロ20年目の技術と鍛錬の成果が詰まった日米通算200勝目だった。(帯津智昭)