河野デジ相 地方自治体のマイナ照会手続きの4割がゼロで「何が支障か調査行う」

河野太郎デジタル相=17日午前、首相官邸(春名中撮影)

河野太郎デジタル相=17日午前、首相官邸(春名中撮影)© 産経新聞

地方自治体がマイナンバー情報を国などに照会する仕組みについて、対象となる手続きの約4割で照会実績が一度もなかったことが会計検査院の調査で判明した問題で、河野太郎デジタル相は17日の閣議後記者会見で、「具体的に何が照会の支障となっているのかなどについて調査を行う」ことを明らかにした。

河野氏は「一部の事務手続きでは情報照会が低調となっているものがある」としつつ、情報照会をすでに利用している自治体では「国民の利便性の向上、あるいは行政運営の効率化につながったという回答が9割を占めている」と説明した。

仕組みが活用されない理由を明確にするため、自治体や関係省庁に対し調査を行い、その上で「効果が高いと見込まれる手続きから支障を解消していく」と述べた。

マイナンバーを使って行政手続きに必要な個人情報を行政機関の間でやりとりできる仕組みは「情報提供ネットワークシステム(NWS)」と呼ばれ、自治体がこれを利用すれば、住民が窓口で住民票の写しなどの必要書類を提出する必要がなくなり、利便性が向上する。

一方、会計検査院が11県とその全市町村を対象に、令和4年度の手続きを調べたところ、対象の1258件中、約4割に当たる485件で全く情報照会がされていなかった。自治体がNWSを使わない理由は「業務フローの作成が未了」「書類を提出してもらった方が効率的」などが多かったという。