「私が弁護士なら黙秘なんて」捜査検事が発言

権利侵害の意図は否定

記者会見する山岸忍元社長の弁護団。代理人の中村和洋弁護士(左から2人目)は「逮捕・起訴した問題について、証人尋問でさらに追及したい」と話した=2024年5月14日午前11時59分、大阪市内、戸田和敬撮影

記者会見する山岸忍元社長の弁護団。代理人の中村和洋弁護士(左から2人目)は「逮捕・起訴した問題について、証人尋問でさらに追及したい」と話した=2024年5月14日午前11時59分、大阪市内、戸田和敬撮影© 朝日新聞社

 学校法人の土地取引を巡る業務上横領事件で大阪地検特捜部に起訴され、無罪が確定した不動産会社元社長が国に賠償を求めている訴訟で、元社長の担当検事(55)が取り調べの際、「私が弁護士だったら絶対黙秘なんて言わない」と追及していたことがわかった。元社長側は「黙秘権の侵害」と訴えるが、検事は大阪地裁に出した陳述書で、その意図を否定している。

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 この訴訟では、検事4人の証人尋問が6月に予定されている。

 国が事前に出した陳述書によると、この検事は自身の発言について「現実的には、黙秘せずに真実をありのままに話したほうが早く捜査や裁判も進んで、結局は自分のためになる場合もあることを一般論として述べただけだ」と釈明。憲法で保障された黙秘権の行使や弁護活動を非難する意図は「一切ない」とした。