裏金は「トップが責任を」

 自民車座対話、保守王国でも厳しい声

自民党の渡海紀三朗政調会長(右)に群馬県内の状況を伝える県連幹部ら=前橋市で2024年5月13日、田所柳子撮影

自民党の渡海紀三朗政調会長(右)に群馬県内の状況を伝える県連幹部ら=前橋市で2024年5月13日、田所柳子撮影© 毎日新聞 提供

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、党幹部が各地で地方議員らと対話する「政治刷新車座対話」が13日、前橋市で開かれ、出席者からは岸田文雄首相の責任を問う「トップが責任を取るべきではないか」などと批判や懸念が相次いだ。来県した渡海紀三朗政調会長は会合後、「今自民が置かれている厳しさを改めて感じた。(県選出)国会議員が全員自民の群馬ですら非常に声が厳しい」と記者団に述べた。【田所柳子】

 県連幹部や県議会議長経験者、青年局・女性局延べ計約30人が出席。会合では「派閥が依然残り、県民から疑問が出ている」「職域団体からも厳しい意見が出ている」など、自民への逆風に危機感をあらわにする声が続いた。自民が全敗した4月の衆院3補選について「2選挙区で候補を出せず、衆院解散時に影響が出るのではないか」との意見も出た。

 県選出の国会議員を自民が独占する「保守王国」ながら、2月の前橋市長選では野党系新人が保守系現職を破った。渡海氏は会合後、「自民の政策を一つ一つ打ち出すことで国民の信頼回復に努めたい」と強調。政治資金規正法改正に関し、「政治のインフラを作る作業だ。公明党との協議を丁寧に続ける必要があるが、野党とも話す段階に入ったのではないか」と述べた。