二階俊博「深刻な病状」の衝撃情報…風雲急を告げる「和歌山補選」の可能性で大混乱

親族も連絡をとれず

5月9日の午後になって「二階、危篤か」という衝撃の噂が永田町を駆け巡った。自民党の幹事長として最長在任記録を有する二階俊博元幹事長に、何が起こったのか。

心臓手術だけでなく、7日から脳梗塞も発症したという噂が流れている。もともと東京都内の大学病院に入院中だが、リハビリ中に脳梗塞の症状が出たという」(永田町関係者)

二階の病状については、これまで現代ビジネスでも報じてきた。二階氏が4月中旬に心臓疾患で入院したことは、二階氏の親族もこうはっきり認めている。

「とっちゃん、心臓が持病で入院したが、ゴールデンウイーク明けには退院する」

ところが、ゴールデンウイークが過ぎてもなお、二階の動静は杳としてわからない。地元では二階の三男・伸康が水面下で争った末、衆議院新和歌山2区への出馬が事実上決まった。長男の俊樹を蹴落として、世襲することが確実となったのだ。

 

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自民党の和歌山県連幹部はこう証言する。

「ゴールデンウイークあけすぐに、県連会長も務める二階のお見舞いも兼ね、県連幹事長らが伸康氏とともに上京する予定でした。ところがその面会がドタキャンとなった。二階の身に何かあったのは間違いない」

現代ビジネス記者は、前出の二階氏の親族に再度、連絡をとった。これまでありとあらゆる場面で、記者が携帯電話を鳴らすと、この親族からはなんらかの返答があった。ところが今回は「大変……今はそれだけ」と言ったきり、連絡が途絶えた。

二階氏の病状が相当に深刻であることを示唆するような口調だった。

「先週までは病院内でも体操をしていたようですが、どうもそこから動静が入らなくなった。リハビリ中に脳梗塞になったと囁かれ始めた」(前出・永田町関係者)

 

補欠選挙の地盤を狙うあの男

「二階先生の関係であちこち、電話をしているがまったく病状がわかりません。こんなことははじめてだ。ついにかと覚悟も……」(前出・自民党の和歌山県連幹部)

衆議院の任期が来年10月まで迫っている。だが岸田文雄首相は、解散については、5月4日の記者会見でも「現在、考えていない」と否定していた。

🐷和歌山・・定数削減 

だがもし二階氏の身に万が一が起こると、「和歌山は本当にとんでもないことになります」と先の自民党の和歌山県連幹部は渋い表情だ。

衆議院の定数是正(10増10減)で、和歌山県は小選挙区が3から2に減る。しかし、解散総選挙前に補欠選挙となれば、旧選挙区に基づくものとなる。つまり、和歌山3区での補欠選挙だ。4月28日に投開票された衆議院補欠選挙の長崎3区も、解散総選挙となれば1つ選挙区が減るので、大きく選挙区事情が変わるが、現状のままで実施された。

 

解散総選挙の前に二階氏の身に急変があれば、和歌山3区で補欠選挙が行われる。その後は来年10月までに、新和歌山2区での解散総選挙となる。また来年7月には参議院選挙があり、二階のライバル・世耕が改選のタイミングだ。──つまり、トリプル選挙が待ち受けるのだ。

現在、伸康は新和歌山県2区の世襲がほぼ確定し、後継者と地元では「出馬要請」を受けている。だがそれはあくまで新2区であって、現行の和歌山3区ではない。ここで補選があることは想定されていないのだ。

実はその地盤を虎視眈々と狙っているのが、裏金事件で自民党からの離党を余儀なくされた、世耕弘成参議院議員だ。

 

4月24日、和歌山県印南町役場で伸康に「出馬要請書」を手渡した和歌山県町村会の会長、九度山町長の岡本章は「若い伸康氏を我々が育てていく」と「ドン」二階の「政界引退」を前提にしたように語った。

「世耕と電話で話したが、首相になりたいから衆議院に転出すると言っている。自分のためで、和歌山、国のためではない」

と岡本は強烈な批判を加えていた。だがいまや世耕は自民党を離党し、無所属となった。自民党から離れ党務がないので、国会がない限りずっと新和歌山2区をまわっているとも伝えられる。

岸田首相の解散戦略が尻すぼみの中、二階の健康不安が一気に広がり、和歌山政界では、風雲急を告げている。

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