黒田東彦・前日銀総裁に瑞宝大綬章、政府発表の日に1ドル=160円 「この人がもらっていいの?」「何の冗談だ」怒りの声

黒田東彦・前日銀総裁

黒田東彦・前日銀総裁© 中日スポーツ 提供

 政府は29日、ことしの春の叙勲で黒田東彦前日銀総裁(79)が瑞宝大綬章を受章すると発表した。総裁を歴代最長の10年超務めた黒田前総裁による「異次元の金融緩和」は円安基調を生み出した。くしくもこの日の外国為替市場外国為替市場の円相場は対ドルで急落し、一時1ドル=160円台を付けた。このタイミングでの受章にネット上では「この人がもらっていいの?」「『日本を貧乏にしたで賞』かな?」などと怒りの声が挙がった。

 「デフレからの脱却」を目指し、「黒田バズーカ」と呼ばれた大幅な金融緩和は、長期的に続く円安基調を生み出した。後任の植田和男総裁は「マイナス金利政策」の解除には踏み切ったものの、黒田前総裁が取ってきた金融政策の大幅な見直しには至っていない。26日にあった日銀の決定会合後の会見で、植田総裁が円安容認と取れる発言をしたことで、34年ぶりの水準となる急激な円安に歯止めがかからぬ状況となっている。

 円安が生活苦につながっている国民は多く、「金融危機」も危ぶまれるような状況下での受章報道に、X(旧ツイッター)上には「これは悪いジョークなのか?」「1ドル160円台に値下がりするなかで1番の戦犯に何の冗談だ!」「自国通貨をあえて安く誘導した結果、円安に苦しむ日本。こんなバカをやった黒田がなぜ叙勲」「アベノミクスという失敗政策で、安倍晋三とともに日本を破壊した人に与えるとか、自民党政権って本当に国民をバカにしているだろ」などの声が挙がった。