中国ビル爆発7人死亡、地元当局が国営テレビの取材妨害…国内メディアが異例の当局批判中国ビル爆発7人死亡、地元当局が国営テレビの取材妨害…国内メディアが異例の当局批判中国ビル爆発7人死亡、地元当局が国営テレビの取材妨害…国内メディアが異例の当局批判

 

爆発があった建物付近で消火活動を行う消防隊員ら(13日、中国河北省三河市)=大原一郎撮影

爆発があった建物付近で消火活動を行う消防隊員ら(13日、中国河北省三河市)=大原一郎撮影© 読売新聞

 【北京=東慶一郎】中国・北京市近郊の河北省三河市で13日、商業ビルの爆発事故を取材していた国営テレビの記者が地元当局に取材を妨害され、共産党の指導下にあるメディア団体「中華全国新聞工作者協会」が異例の抗議声明を出した。

 事故はガス漏れが原因とみられ、当局発表で7人が死亡した。声明によると、中国中央テレビの女性記者が中継していたところ、黒い制服を着た当局者がカメラの前に立って妨害した。同僚の記者も現場から追い出された。SNS上では、多数の当局者に取り囲まれ、移動させられる記者を映した動画が出回っている。

 声明は、「関係政府は取材の便宜を図るべきであり、記者の正常な職務遂行を乱暴に妨げてはならない」と当局の対応を批判した。

 宣伝当局の統制下にある一方で取材の便宜を受けやすい国内メディアによる当局批判は珍しい。中国中央テレビの元記者は、抗議の対象が中央政府ではなく、地方当局であるため、声明を出せたとの見方を本紙に示した。各地で重大事故が続く中、共産党政権が地方当局批判を許した「ガス抜き」の側面もありそうだ。

 三河市当局は14日、現場でガス漏れのリスクが発覚したため、記者を警戒線の外に出したと釈明した。「乱暴なやり方で記者の誤解を招いた」と陳謝した。

 極めて異例…中国国営テレビに警

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