「裏金脱税」どうにかして…

元総理に届いた国民の手紙 岸田総理と直接対決で

「カチンときた」【国会トークフロントライン】

「裏金脱税」どうにかして…野田元総理に届いた国民の手紙 岸田総理と直接対決で「カチンときた」【国会トークフロントライン】

「裏金脱税」どうにかして…野田元総理に届いた国民の手紙 岸田総理と直接対決で「カチンときた」【国会トークフロントライン】© TBS NEWS DIG_Microsoft

「裏金」をめぐり岸田総理と政倫審で直接対決した野田元総理が怒りを爆発させます。子育て中の人から手紙をもらったこと、確定申告の説明会に行った時のこと──。1円単位で税金を払う人の気持ちを岸田総理や安倍派幹部はわかっていないと熱く語ります。そして、旧統一教会と盛山文科大臣の関係、東京15区の補選に小池都知事は出馬するのかなど、野田節が炸裂します。(聞き手:TBSテレビ・政治担当解説委員 石塚博久)

元総理が毎朝駅前に…出演前にも受け取った

裏金脱税」怒りの手紙

──元総理大臣が、毎朝6時前から駅前でビラ配りを。これはいつ頃から?

立憲・野田佳彦元総理:

38年前に初めて無所属で千葉県議選に出ようとした頃からです。集会やろうと思ったら1人しか来なかったんですよ。寂しいじゃないですか。家庭教師じゃないですからね。で、これじゃ勝てないなと思ったときに、お師匠さんである松下幸之助さんから「わしだったら人がたくさんいる前で皿回しをやる。みんなが足止まったらマイクに入ればいいんじゃないか」と。皿回しする技術はないんで、とにかくずっと朝街頭に立ってビラを配ってということを始めました

定例でやってると、来るとわかってますからメッセージとか渡されるんですよ。

 

今日も手紙をもらいました。「2歳と7歳の子育てをしながらの会社員生活は本当に大変です。いくら働いても税金で手取りが少なく、子どもにこのままの日本を渡してしまうのが苦しいです。裏金問題でニュースを見るたびに怒りがこみ上げます。本当にどうにかしていただきたい」と。

確定申告の相談会場にも行って。声をかけて聞くともう怒り心頭ですよ。インボイスも導入されて、国民はもう1円たりともおろそかにできないという状況にある意味追い込まれている。真面目に納税しようとしている人たちにとって「4000万円とか3000万円の裏金」という…政治に対する信頼感というのは本当に地に落ちている。憤激ですね、もう。

盛山大臣が旧統一教会と“政策協定”「わかっていたのによく大臣を引き受けたなと」

──盛山文科大臣が、旧統一教会関連団体との事実上の政策協定にあたる推薦確認書に「署名したのではないかと考えられる」と答弁しました。

立憲・野田元総理:

今日まさに政策協定の署名に行ってきたんです。そう何十本もやるわけじゃないですよ。大事なところでやる。必ず署名したことは記憶してるし、我々は中身を見ますよ。こうやって写真とか文章が出てこないと認めないっていうのはおかしいなと思ってたんですけど。

逆に、本人はわかっていたのによく大臣を引き受けたなと不思議な感じがしますよね。普通は署名までしたものはやっぱり記憶してます。無いとかぼかすってのはちょっと不思議だなと、嘘っぽいなと思ってましたけど、やっぱりという感じです。でも逆に、こうやってわかってしまったから厳しく対応しなきゃいけないという圧が本人にはかかるんじゃないかなと。それはまた公平なのか。いろんな意味で大臣としてふさわしくないってことは証明されたような気がしますね。

 

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求めていないのに自ら出席を決断? 強気の岸田総理に

「カチンときた」

──裏金問題をめぐる政倫審に岸田総理が突然出席しました。直接対決で野田さんは「違和感がある」と言っていましたが。

立憲・野田元総理:

本当は感想じゃなくて具体的な質問から入ろうと思ったんですけど…。総理が弁明で「私は古い派閥のあり方から決別することを決断しました。そして本日、自民党総裁として政倫審に自ら出席し、マスコミオープンのもとで説明責任を果たすことにしました。これも前例にとらわれないとの私の決断です」と。

ある意味高揚感を持って。何となくヒロイズムを感じるというか…何言ってんだろう、というのでカチンときたんですよ。だって本当は求められてもいないのに来たわけでしょ。

よほど何か事実を持ってくるんだったらいいけども。この種の窮地に追い込まれたくせに、こういう強気で物を言う姿勢にカチンときたので。悲しいぞと思って…あの衆院第5委員会室っていうのは、ちょうど私の同期の人たちの肖像が出てるんですよ。安倍晋三さんもいるしね。そういう人たちの前で同期生同士の対決なのに、こんな姿勢で出てきて恥ずかしくないのか、と思った気持ちが込み上げて「違和感」という話になりました。

──総理は自身のパーティーについては、野田さんに3回追及されてやっと「在任中はやらない」と答えました。

立憲・野田元総理:

総理本人も「特権的な意識を持っちゃいけない」っていうことを言ってるんです。だけど、内閣総理大臣が政治資金パーティーをやれば、それはお金出す人いっぱいいるし人は来ますよ。それは一番の特権なんです。その特権を1年間に7回も行使した、ひと月に3回もやったと。一番特権意識を改めなきゃいけないのはあなたじゃないかと。

予算委員会でも取りあげましたけど、あのときは「勉強会」とか言ったんで、これまたふざけるんじゃないよと。一晩で3000万円儲かるような勉強会なら私だってガリ勉になりますよ。そんなことやっちゃいけないだろうと。

派閥幹部が“修正したらOK”…「にわかに信じられない」

──政倫審では、安倍派の塩谷座長が「政治活動に使用したので納税しない」と答弁しています。

立憲・野田元総理:

まず「収支報告書を修正すれば政治資金だというところに逃げ込んだら問題ない」という路線です、みんなが。だけど、きちっと説明しきれない人たちがいっぱいいるんです。政治活動に使ってたんだったら、ちゃんとこのお金はどういうふうに使ったかっていう使途をきちっと説明しなければ納税義務は必ずあると思うので。

「訂正したらOK」じゃない。それはにわかには信じられません。

誰がキックバックを再開?次の政倫審

必要なのは下村元文科大臣」

──安倍元総理死去後、誰がキックバックを再開したかについては、西村さんは「8月に結論出ず」、塩谷さんは「8月の話し合いで継続の流れに」と主張が食い違っています。

立憲・野田元総理:

一昨年の夏のことですから。その中で政倫審まで出てくるんだったら、お互い話し合って「確認ぐらいして出てこい」と思いますよね。口裏合わせてるのは他にいっぱいあるんですけど、ここでは齟齬が出ましたね。だとすると、今必要なのは下村さんじゃないですか。出るのか出ないのかわかんない。あの人に出てもらうと一番いいんじゃないですか。次の(政倫審)。真相究明のためには。これ大事な場面だと思いますよね。だって事務方が判断して動くわけないでしょ。キックバック戻すとか戻さないは政治判断じゃないですか。

政治判断は誰がやったのか、誰と誰でやったのか。それはできるだけグイグイグイグイと調べていかなければ、これ解明になりませんからね。大事なポイントだと思うので、これは下村さん、出てもいいとおっしゃってるならば、出てほしいと思いますね。