長く続く腰痛は、この記憶の働きがかかわっている、かも知れない

 

 

このデフォルトモードネットワークというのは、何も頭を使っていようなぼーっとしている時になる脳の活動状態で、一見、頭を使っていないように見えますが、実は、大脳に蓄えられた記憶を分類して整理しているわけです。

 

そのために、嫌な思いをしたことや、痛かった時の記憶が、単なる記憶としてではなく感情を伴った記憶として残されてしまうわけです。実は、長く続く腰痛のほとんどは、この記憶の働きがかかわっているものだと考えられています。

 

もし神経的な原因による腰痛であれば、日によって変化するのは考えにくいですし、筋肉の問題であれば長い期間回復せずに同じ状態であることもやはり考えにくいのです。感情の記憶が大きくかかわっていることがわかる例として、怒ったり腹を立てたりした翌日に、腰はもうすっかり治っていたのに、また以前腰を痛めた時と同じような痛みが出てくることがあるのです。

 

怒りの時に出される脳の波長と過去の腰痛の記憶の波長が結びついたために起こるものと考えられています。長期間続く腰痛の多くがこうして起こっていると思われます。このため、現在では心理学的に記憶と痛みを分離する方法がとられています。腰だけを治療しても、なかなか良くならないのですね。

 

面白いことに、気功や瞑想をやると、脳はこの何も考えていない時と同じ状態になることが、最新の研究でわかってきました。気功や瞑想の時に、前頭葉内側と後部帯状回が同期して記憶の整理を行っていたのです。

 

2019年風の子セミナー講座、意識と生命の意味より