皮膚が持っている高感度センサーが、このケラチノサイト細胞

 

 

そうした皮膚が、いったいどれくらいの刺激を感じ分けているのか、もう少し見てみることにする。マイクロメートル単位。10⁻⁶メートル、0.001ミリメートル、1000ナノメートル。マイクロコーンの実験であったように皮膚はこのマイクロメートル単位の極微細な刺激を感じ取っているということになる。

 

身体に何らかの刺激を加えようとする場合、押したり揉んだり、また太い鍼を刺したりしないと影響が無いように思うが、実際はほんのわずかな接触でも内臓にまで影響している。例えばプロのスポーツ選手が爪の先をわずかに痛めただけでも身体全体の使い方に影響してフォームが崩れてしまったり、

 

私達でも靴の中にほんの小さな石粒が入っただけで気になって歩けないような感じになってしまうように、身体に備わっているセンサーは微細なオーダーを認識することができる。宇宙関連の部品を作る町工場の職人さんがコンピューター制御でもできないような更に微細ないな凹凸を触覚のみで判断できる

 

ように私達には元々そのような高感度のセンサーが備わっているのだ。この無意識のレベルで感じているくらいの刺激が、非常に大きな影響があり、重要なものになってくる。この高感度センサーがモニターできるサイズが皮膚の表面にあるケラチノサイト細胞のサイズと同じ大きさということなのだ。

 

つまり皮膚が持っている高感度センサーは、このケラチノサイト細胞が担っていると考えられる。どうやらケラチノサイト細胞は微細な接触刺激やそれに伴う微細な振動などを感知して全身に情報を伝達する最初の砦のようだ。この微細な感知機能こそが、「ボイスヒーリング」に深く関わっているのである。

 

風の子セミナー『皮膚で聞くボイスヒーリング・子どもの皮膚を通して見た世界』より修正加筆