名古屋大学学長をされていた高木健太郎先生は、約半世紀ほど前に圧発汗反射の発見から鍼の作用機序を点による圧迫であるとの見解を示されました。その約50年後、最新の分子生物学は細胞膜による情報伝達の計算式を求め、その伝達速度を求心性神経のA線維に匹敵するような速度であることを突き止め

膜伝導の可能性を明らかにしました。従来の神経生理学でも、神経は途中からの刺激を伝達しないとされています。では何故神経の途中の圧迫で神経痛のような反応が起こるのか。それが全ての細胞にメカノセンスがあるからということになるでしょう。つまり膜受容器です。

鍼は刺入した深さに関係なく、その鍼の先端で細胞膜を圧迫して、膜受容器を刺激しているということになってきます。
高木健太郎先生が、半世紀も前にこのことに気が付かれ、現代までの時を待って計測機器の進歩を得て、その正しさが証明されたように思えてなりません。体を観察する重要性を実感します