好転反応と刺激過多の違いは、温泉の効能と湯あたりくらい違う



今回は、好転反応について考えてみたいと思います。


治療後に起こる様々な体の変化は、期待通りのこともあれば、逆に痛みが強くなってしまうようなこともあります。


始めに言っておくと、治療をしている側は、治療後に現れてきた様々な体の変化を、むしろ期待しているところもあります。


それは次のような理由があるからです。体はいつも一定の状態に保たれています。


不安定な状態は、常にエネルギーを消耗し続けるからです。当然、その期間が長ければ長いほど消耗は大きくなります。生命を維持する上で、体の安定を得ることは最重要の課題なのです。


体はどこかに不具合があれば、まず排出しようとします。それでも解消できなければ、そのまま抱え込んで、安定しようとします。これを別の言葉で表せば『慣れ』と言うことになるでしょう。


例えば臭い。初めはくさいと思っていても、時間とともに感じなくなります。臭いがあることに慣れて、そのことを意識しなくなります。


この慣れるという能力は、生命が獲得した非常に重要な能力でもあります。この能力があったからこそ、生命が世界中に拡がったと言えます。


その能力と、好転反応が、かかわっていると推測しています。


つまり、病気になった期間が長ければ長いほど、その状況で安定して体を慣れさせようと調整していた期間も長いことになります。


そこへ入り込んでいく治療行為は、安定を乱す新たな異常として、体が解釈してしまうと考えられます。


事実、免疫治療をされている医師の調査で、治療後に免疫細胞である白血球数が一時的に変化をして、何か危機的なことが起こったかもしれないと、体が判断している様子が血液検査によって確かめられています。


治療後の好転反応の正体は、病的に安定していた状況を、変化させたために起こる一時的な危険シグナルであると考えられます。


この危険シグナルは、あくまでも一時的なので、体の調整力によって数日間から約一週間の間に、元の状況に戻されてしまいます。


ですから、その前にもう一度治療する必要が出てきます。治療に必要な回数や間隔は、この体の調整力との関係から導き出されるものなのです。


これはある程度経験から予想できるものの、実際は一人ひとり皆異なるので、治療をしていく中で計算して修正するしかありません。


この計算が、うまくいった場合次第に健康な状態の方にシフトしていきます。そうなると加速度的に状況は改善していくことになります。


治療後に起こる体の危険シグナルは、一時的なものです。しっかりと理解していれば、ことさら恐れる必要はありません。むしろ体が正常に反応していることを喜んでもいいくらいです。


ただし一つだけ、好転反応と刺激過多は、似て非なるものだと言うことを覚えておいてください。


簡単な例で言うと、温泉に湯治に行って、温泉の効能による反応と、入り過ぎで湯あたりした時の反応の違いです。


要するに、たくさんやってもらったので、好転反応が出てよかった、ということでは、決してありませんのでご注意ください。


好転反応と、治療の時間と量は、全く関係ありません。