冷えの塊

 

 

つまり、身体にできる塊(腫瘍)は、冷えが作り出しているもので、その冷えは身体の外側から冷やして血流のストップさせたことによって起こっているということになるわけです。非常に興味深いことに、身体にできた塊(腫瘍)は熱にとても弱いのです。例えばこうした治療に利用されるマイクロ波は電子レンジと同じもので、目的の細胞に向けて撃ち込めばそこに熱を生じます。そのように熱を加えることで増殖を抑えていくことをやっています。昔から腫瘍というのは、冷えの極致、と言われていましたが、本当にその通りなのです。冷えが進行していって増殖していく。だから温めることでそれを防ぐことができる。そういう理屈になるわけです。

これは癌細胞の生存率と温度を表した図になります。癌細胞の生存率は、温度を高くすればするほど生存できる時間は短くなっていきます。そう考えると体温が低いというのは非常に危険な状態ということになりますね。癌などの腫瘍が自然寛解した人の症例によく出てきますが、自然寛解の直前に風邪などのウィルスに感染して高熱を出した後に腫瘍が消えたということです。ただ、高熱を出せばいいとは言っても、誰にでもできるわけではなくて、これは身体力勝負なのですね。高熱が出るということは、それだけエネルギーを、つまり体力を消耗しますので、体力がない人がやるのは非常に危険です。そのこと自体で生命が失われてしまいます。だからこそ、体力があるうちに身体を温めるということがとても重要なのです。色々な方が、身体の塊(腫瘍)にはこれがいい、あれがいい、というのをよく見ていくと、結局、熱を上げるということに、ほぼ集約されますね。

 

2019年講座、意識と生命の意味より