痛い側と痛くない側のどちらの治療がいいの、の続きちょこっと

 

つい先日行った会のセミナーで、健側と患側の話をした。簡単に言えば、これは痛い側と痛くない側のどちらに治療をするのがいいのか、という話なのだが、最新の脳科学でわかったことをつなぎ合わせて鍼灸の姿を浮かび上がらせてみた。それで、どちらが治療にはいいのか、そう白黒つけたくなるが、結論は、どちらも有効で、それぞれ効果の出方が違う。ということになる。

 

それは、どちらの側でも脊髄からの情報が脳に伝わるのだが、伝わる脳の部位が違うということだ。ここまでが、先日のセミナーで話したこと。で、本当はここからが面白い。痛い側と痛くない側、それぞれの刺激は、脳幹の部分で処理されるものと、大脳皮質の知覚野で処理させるものにわかれる。この反応系の違いを脳機能から類推すると、どうやら、チャクラ型と経絡型の違いだということが見えてくる。

 

チャクラと経絡、それぞれを表現した絵を思い出して欲しい。そう、チャクラは下から上がった先、蝶形骨が羽を開いて松果体に到達する脳幹部が描かれていることがわかる。また一方、経絡の図は、皮膚の知覚エリアを表現したまさに、知覚野のホムンクルスだ。ここから推論を組み立てていけば、本治は、どちらから行えばよいか、また標治は、どちらからか、同じ身体の皮膚の部位を利用して、使い分けることができる。

 

つまり、脳のコントロールセンターを外部から動かして、真の意味での本治と標治が可能になるのではと思っている。世界中の医療のマークは、図らずも、すべてこの脳幹型と大脳皮質型を象徴している。脳機能科学が進歩した今、鍼灸の治療も、とてつもない転換点を迎えている。そのことに気づいている人は、思いのほか多いのではないだろうか。