(※2022/6/17 スレーヴⅠの内部構造の項目に、画像の追加および「ブック・オブ・ボバ・フェット」での描写をふまえた追記を行いました。)

 

 

 

 

こんにちは、かぜのこです。

 

 

ここのところ、レゴ、SW、ブログなど趣味全般に対するモチベが下がってしまっていたことや、忙しさもあってすっかりブログをお留守にしてしまいました。

SWモチベは先週のバッド・バッチでようやく上向いてきたので、また少しずつブログの方も更新していけたらと思います。

 

 

 

 

というわけで、本日は2カ月遅れのスレーヴⅠ考察記事です!

 

前回の記事では「75243 スレーヴⅠ」の改修ビルドをご紹介しましたが、

その際には書ききれなかったスレーヴⅠの内部構造に関する私なりの考察や、こだわったポイント、意識した場所などをご紹介していこうと思います。

 

レゴでのスレーブⅠの立体化を考えている方にとって、役に立つ記事となれば幸いです。

 

 

目次はこんな感じ。

・劇中におけるスレーヴⅠのバリエーション

・作品ごとに異なるスレーヴⅠの大きさ

・過去に発売されたスレーヴⅠのセットと、それに対する不満点

・コックピットにジャイロ機能は存在するのか?

・各作品から読み取れる、スレーヴⅠの内部構造

 

 

それでは、さっそく始めましょう!

 

 

※この記事には「マンダロリアン」のシリーズ後半の内容に関する記述も含まれるため、未視聴の方はご注意ください。

 

 

 

 

・劇中におけるスレーヴⅠのバリエーション

 

スターウォーズの銀河における共和国末期~帝国時代は、様々な戦闘機が目まぐるしく世代交代を繰り返す期間なのですが、

スレーヴⅠはその中にあって比較的長い年代に渡って活躍した機体です。(これは本機が貨物船と戦闘機の中間のような特殊な機体だからかもしれません。)

 

その長い活躍の中で、スレーヴⅠは複数人の所有者の手に渡り、その都度改修・改造を受けています。

 

 

そのため、スレーヴⅠを作るにあたって映像資料を集める際には、年代によって外観や武装に差異があることを考慮する必要があります。

 

 

 

ということで、まずはスレーヴⅠの歴史を年代や登場作品ごとに分類してみました。

 

①ジャンゴが入手する以前(あるいは入手した直後)の、原形のファイヤースプレー31級哨戒攻撃機

②-a.ジャンゴによる改修を経た時期

②-b.ジャンゴの死後、ボバとその仲間の賞金稼ぎたちが使用していた時期

③ホンドーによる改修を経た時期

④-a.ボバによる改修を経た時期

④-b.マンダロリアン登場時

 

以下、簡単な解説です。

 

 

①ジャンゴが入手する以前(あるいは入手した直後)の、原形のファイヤースプレー31級哨戒攻撃機

登場作品:「スターウォーズ ジャンゴ・フェット」(ゲーム)

…スレーヴⅠは、もともととある惑星の刑務所で使用されていたファイヤースプレー31級哨戒攻撃機をジャンゴが強奪し、後に改造を加えた機体という設定でした。

ただ、上記の設定は出典作品であるPS2のゲームごと、今となってはレジェンズ扱いとなっています。

また、ゲーム内で確認できる映像資料も多くはないため、この時期が参照されることはほぼないでしょう。

 

 

②-a.ジャンゴによる改修を経た時期

登場作品:「クローンの攻撃」

…おなじみ紺色の機体です。

スレーヴⅠのドッグファイトを初めて見せてくれた機体ということもあり、思い入れのある人も多いのではないでしょうか。

そろそろレゴでリメイクしてくれてもいいんじゃないかと、個人的には思うのですが…。

後のボバ時代とはカラーリングが異なるほか、細かい武装なども違うとされていたのですが、映像以外の文字資料はだいたいレジェンズ送りにされてしまったため詳細は不明です。

 

 

②-b.ジャンゴの死後、ボバとその仲間の賞金稼ぎたちが使用していた時期

登場作品:クローンウォーズS2 ep20~22「デス・トラップ」「絆」「危険な追跡」

…クローンウォーズで再登場した際の機体です。ボバがいつ回収したのか気になる。

カラーリングはジャンゴ時代と同様で、外見上の差異も見られませんが、実写と3Dアニメの違いや持ち主が変わったことなどを考慮して区別しました。

スレーヴⅠの内部や副操縦席の照準システムなどが確認できる、けっこう貴重な場面もあります。

ただ、クローンウォーズ版ということで、大きさやプロポーションにやや違和感があります。(これは後述)

 

 

③ホンドーによる改修を経た時期

登場作品:クローンウォーズS5 ep9「求められる絆」

…惑星フローラムを拠点とする宇宙海賊ホンドー・オナカーによって改修(というより修繕?)を受けた機体です。

(スレーヴⅠが頑丈だったのか、それともホンドーがすごくがんばって直したのか、気になります…)

カラーリングはボバのものにだいぶ近づきましたが、緑色の塗装が少ないのと、機体の正面にオナカー・ギャングのマーキングが施されているのが外見上の特徴です。

登場時間はかなり短いですが、搭乗ハッチ付近の内部構造が確認できます。(ただし「マンダロリアン」の描写とは矛盾します)

 

 

④-a.ボバによる改修を経た時期

登場作品:「帝国の逆襲」

…言わずもがな、スレーヴⅠが初登場したときですね。

このときはかなり限られた描写しかありませんでしたが、後述のジャイロ機能の有無に関する考察や、外観のカラーリングを参考にするうえでは貴重な映像資料です。

 

 

④-b.マンダロリアン登場時

登場作品:マンダロリアンS2 ep14~16「悲劇」「信奉者」「救出」

…「マンダロリアン」登場時の機体です。

まさかの登場にとても心が躍りました!

外観は「帝国の逆襲」登場時の機体に準拠しているものと思われますが、当時は少なかった機体の内部の描写や武器を使うシーンが非常に多いです。

映像資料としてもとても有用性が高いですが、作中時系列で「帝国の逆襲」からは5~6年、「クローンウォーズ」からは約30年が経過しているため、若干の差異がある可能性を考慮する必要があります。

 

 

以上が、劇中に登場したスレーヴⅠの各年代ごとの特徴です。

 

スレーヴⅠは多くの作品に登場しており、参考になりそうな映像もそれなりに多いのですが、内部の描写や武装の形状などは作品ごとにかなりバラつきがあります。

それらの違いが年代によるものなのか、あるいは実写と3Dアニメの違いからくるものなのかを考察しつつ、埋められない余白については自分の妄想で補っていく。この過程が、スレーヴⅠを作る際の醍醐味ではないかと、個人的には思います。^^

 

 

 

 

・作品ごとに異なるスレーヴⅠの大きさ

 

各年代ごとのスレーヴⅠの特徴について簡単に振り返ったところで、ここからはどのような部分に差異が見られるのかを具体的に解説していこうと思います。

 

まず、スレーヴⅠを立体化するにあたって最初に考えなければならないのが、全体の大きさです。

 

 

Wookieepediaスターウォーズの鉄人の両サイトにおいても、スレーヴⅠの設定上の大きさは全長21.5m、全幅21.3mとされています。

 

ただ、普段レゴを作るうえで縮尺などを考えていない私のような人間にとっては、メートルで言われてもいまいちピンときません。(笑)

 

 

また、スターウォーズの文字資料はあまり当てにならないことや、全長と全幅がほぼ同じという設定は見た目的にも違和感を拭えないこと、レゴにおけるミニフィグスケールは厳密な縮尺とは異なることなどを考慮すると、

やはり映像資料を参考にしつつ、ある程度は感覚で全体の大きさを決めるという、昔ながらの方法が最適なのではないかと思います。

 

 

 

ということで、各映像作品を一通り見てみたのですが、これがまぁ見事にバラバラでした。(笑)

 

 

 

順を追って見ていきましょう。

 

 

「クローンの攻撃」

(ハッチ付近にいるのはボバ。その下のジャンゴは前屈みになっています)

他作品と比べると着陸時の全高がやや高め?

 

「クローンウォーズ」

スタビライザーにつかまっているアソーカと比べると、かなり大きいように感じられます。

全体的に縦長のフォルムも特徴的。

 

「帝国の逆襲」

スレーヴⅠ初登場作品。すでに紹介した二作品に比べると、やや小さく感じられます。

 

「マンダロリアン」

場面によってかなり大きさが違うように感じられます。

この画像だと、かなり小さく感じますね。

 

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画質が少々荒くてすみません…。

私なりに、人との対比で大きさがわかりやすそうなシーンを選んでみたつもりです。

 

 

こうして並べてみると「クローンウォーズ」版が群を抜いて大きく、「帝国の逆襲」版は意外と小さいのがわかると思います。

 

大きさ順に並べると、

クローンウォーズ>クローンの攻撃>帝国の逆襲>マンダロリアン

の順でしょうか。

 

 

 

これは私の考えですが、このような大きさの違いは撮影手法の違いからくるものなのではないかと思います。

 

おそらく、スタジオ内で実際にセットを組んで撮影したEP5やマンダロリアンでは、大きさに制限がかかる都合上やや小さめに、

反対にCGを用いた(?)EP2やクローンウォーズでは、やや大きめに描写されているのではないでしょうか。

(実際の撮影手法についてはあまり詳しくないため、あくまで想像です)

 

また一つ補足すると、「マンダロリアン」劇中においても飛行シーン(CGで撮られている場面?)では、上で引用した画像よりも全体の大きさは大きく設定されているように見えます。

 

 

 

いずれにせよ、公式の映像でもここまで作品や場面ごとに大きさ・プロポーションに差異が見られることを考慮すれば、

レゴに落とし込む際にはある程度自分の好みに合わせて全体の大きさを決めてもよいのではないかと思います。

 

前回の記事でもふれたとおりですが、今回私は「マンダロリアン」の映像を参考に、少し小さめのスケールで制作しました。

 

 

 

 

余談ですが、クローンウォーズ版は縮尺を間違えたのではないかと思うほど大きいです。

 

クローンウォーズに登場する兵器は、映画版のものに比べて全体的にやや小さくデフォルメされる傾向がある中で、かなり異例のことだと思います。

 

 

どれほど大きいかわかるシーンがこちら↓

 

 

 

エアロックの直径がほぼ成人の背の高さと考えると、全体の大きさはかなり大きいです。

 

また、もしレゴで脱出ポッドを作ろうとした場合、その直径は最低でも8ポッチほどは必要になるかと思います。

そう考えたうえで脱出ポッドと比較してみると、スレーヴⅠのとてつもない大きさが実感できるのではないでしょうか。

 

 

 

また、人との対比で大きさを見るときに参考にしやすいのが、ハッチへと続く通路の幅なのですが、

他の作品だとレゴにして4~5ポッチ幅が妥当に見えますが、クローンウォーズ版だと6ポッチくらい幅があるように見えてしまいます。

 

まぁこの場面の場合、イニシエイトたちやアソーカが小柄なので余計にそう見えるだけかもしれませんが…。

 

 

 

 

・過去に発売されたスレーヴⅠのセットと、それに対する不満点

 

映像作品におけるスレーヴⅠの大きさの違いについて確認したところで、今度は過去に商品化されたレゴのセットの大きさについて、簡単に振り返ってみましょう。

 

 

・「7144 スレーブⅠ」(2000)

 

・「7153 ジャンゴ・フェットのスレーブⅠ」(2002)

 

・「6209 スレーブⅠ」(2006)

 

・「8097 スレーブⅠ」(2010)

 

・「75060 スレーヴⅠ(UCS)」(2015)

 

 

・「75242 スレーヴⅠ(20周年記念モデル)」(2019)

 

 

一つ一つの商品について解説していくと長くなってしまうため、簡潔に。

 

 

こうして比較してみると、2002~2010年の三セットは同じキャノピーパーツを使っており、スケール感もだいたい同じであることがわかります。

映像作品で言うと「クローンの攻撃」に準拠した大きさでしょうか。

 

個人的には私もこのくらいのスケール感が一番好きですし、最適解であるようにも思えます。

 

 

UCSはギミックはすごいのですが、少々やりすぎな大きさです。

もっともUCSの場合、ミニフィグスケールでの立体化ではなく、飾ったときに楽しめる・迫力が出るというコンセプトでの立体化であるため仕方のないことではあるのですが。

 

縦長のフォルムやオーバースケール気味と言う点では、映像作品におけるクローンウォーズ版と似ているように思えますね。

 

 

現時点での最新版である「75243 スレーヴⅠ(20周年記念モデル)」では、キャノピーパーツが一回り小さいものに差し替えられています。

全体的な大きさも抑えられていますが、スケール感に目をつむればプロポーションは非常にきれいです。

 

何よりも、より大きく複雑になっていく一方だった流れに一石を投じて、子どもにとっての遊びやすさという原点回帰をした点は非常に好感が持てます。

(その分、値段ももっと抑えてほしかったですが…)

 

 

 

今回、私は75243を元に改修を加えました。

 

改修元のセットを選ぶ際、6209や8097とも迷ったのですが、土台(エンジの部分)の大きさや形状が一番好みで、かつその部分に使われている新パーツに心を惹かれたことからも75243を選びました。

 

また75243の特徴として、機体本体と土台の接続にテクニックパーツが使われており、それによって微妙な角度がつけられているという点があります。

これはUCSの組み方を通常商品に落とし込んだもので、やはり最新のセットだけあって出来は頭一つ分抜けている印象があります。

 

 

 

しかし一方で、75243を含めた過去の商品には、いずれも再現性において十分とは言えない点がありました。

 

 

まず一つ目が、搭乗ハッチがないことです。

 

過去の商品では基本的にキャノピーパーツを外してボバやジャンゴを乗せる仕組みとなっており、

本来のハッチにあたる部分はカーボナイトされたソロを入れるためのスペースとして扱われていました。

 

個人的に、UCSですら搭乗ハッチが再現されていないというのは大きな驚きでした。

 

 

二つ目が、コックピット内の作り込みの低さです。

 

前回の記事でもふれたとおり、スレーヴⅠのコンソールはかなり特徴的なのですが、レゴの製品では非常に簡素なパネルによって表現されてきました。

これは操縦席にジャイロ機能を備えることを優先させてきたためで、これも仕方のないことではあるのだと思います

 

 

総じて、過去の商品ではスレーヴⅠ内部のディティールや動線といった作り込みが甘かったのが主な不満点と言えるでしょう。

 

とはいえ、スレーヴⅠの内部に関する描写があまりにも少なかったことを考えると、これは仕方がないというか、ある意味当然の結果とも言えます。

 

 

「マンダロリアン」で内部の描写が大幅に増えたこともあり、前回の記事でご紹介した改修ビルドでは、上記の不満点に対する私なりの解答を示すことを、一つのテーマとして取り組みました。

 

また、その際にコックピットのジャイロ機能を廃するという手法をとったのですが、次はその経緯について解説していこうと思います。

 

 

 

 

・そもそもコックピットにジャイロ機能は存在するのか?

 

スレーヴⅠのコックピット内部をどう再現するか考えた際にぶつかった大きな疑問です。

 

レゴの製品ではこのジャイロ機能が毎回搭載されており、そのためにコンソールの再現が犠牲になってきたことはすでにふれたとおりですが、そもそも「操縦席にジャイロ機能が存在する」という描写は劇中に存在するのでしょうか?

 

 

 

「マンダロリアン」S2のep15「信奉者」では、下部キャビンにジャイロ機能が搭載されていることが初めて明確に描写され、一見するとジャイロ機能の有無に関する疑問はこれで解決したように見えます。

 

しかし、そうなると疑問に残るのが「クローンの攻撃」における描写との矛盾です。

 

 

カミーノの発着場でオビ=ワンとジャンゴが戦っていた時、ボバは明らかに垂直になっているコックピットに座っていました。

 

あれはすぐに発進できるようにジャイロ機能をオフにしていたのでしょうか?

それとも、ジャイロ機能はジャンゴの時代には取り付けておらず、後にボバや別の所有者によって取り付けられたものなのでしょうか?

 

 

答えを見出すべく、いま一度全ての映像作品を検証してみましょう。

 

 

「クローンの攻撃」

 

「帝国の逆襲」

 

「マンダロリアン」

 

(↑奥に見えるのがコンソール?)

 

 

…こうして見てみると、どうやら操縦席にはジャイロ機能は搭載されておらず、下部キャビンのみ可動する、という結論に落ち着きそうです。

 

一応、1枚目と3枚目の画像だけであれば、すぐに発進できるよう体制を整えていたからだ、と言えなくもないのですが、

2枚目、4枚目の画像を見ると言い逃れのしようがない気がします。

 

 

※2022/6/17追記

「ブック・オブ・ボバ・フェット」チャプター2を見た限りでも、やはりコックピットにジャイロ機能は無さそうです。

 

 

 

では、なぜ映像資料に明確な描写のないジャイロ機能が、レゴでは採用されてきたのでしょうか。

 

 

 

こちらの画像は見たことがある方も多いかもしれません。

 

「クローンウォーズ」や「マンダロリアン」が公開される前は、スレーヴⅠの内部に関するほぼ唯一といってよい資料でした。

 

 

この画像の初出がどこであるかは私もわからないのですが、おそらく過去に発売された書籍だと思います。

そして、おそらくですが今ではレジェンズ扱いとなっているものでしょう…。

 

 

私自身は現在カノン(正史)とされているものに対して、レジェンズ(非正史)を下に見るつもりは全くありません。

 

ただ、レジェンズはレジェンズで玉石混交というか、明確に映像作品と矛盾してしまうものも存在するため、あまり傾倒しすぎるのもそれはそれでよくない…という考えです。

 

 

ただ、そこの判断もなかなか難しいところで、最近では古くからあったレジェンズの設定を後発の映像作品(カノン)が上書きし、結果として矛盾する描写が生まれてしまうということが度々起こっています。

 

昔からのファンの人が、製作陣はもっとレジェンズに敬意を払うべきだ、という風に感じるのは当然のことでしょう。

 

 

個人的には、カノンだろうとレジェンズだろうと、自分がよりおもしろいと感じるものや、より説得力があると感じられるものをその都度取捨選択して自由に楽しめればいいのではないかと思います。

 

 

話が逸れてしまいましたが、ジャイロ機能の明確な描写が映像作品に見当たらない以上、その出典はおそらく、今ではレジェンズ扱いされているこちらの画像なのだと思われます。

 

 

 

そこで今回私としては、スレーヴⅠが初登場した「帝国の逆襲」から、一貫して映像作品に明確な描写がないことをふまえ、レゴでの再現は必要性が高くないという結論に至りました。

 

 

 

もっとも、スレーヴⅠの着陸の仕方を見る限り、操縦席にジャイロ機能が備わっているのではないかという考えは至極合理的なものだと思います。ロマンもあるし。

 

また、レゴの商品に関しては、動きがある方が遊んでいて楽しいというプレイアビリティの観点からも、よい仕組みだと思います。

 

今回、私個人としては上記のような結論に達したものの、それは必ずしも「コックピットにジャイロ機能はある」という考えを否定するものではない、ということを明記しておきたいです。

 

 

「ボバやジャンゴは常に有事に備えていて、発進までに時間のかかるジャイロ機能を好まなかった」と考えれば、それはそれで説得力がありますし、

「最初からジャイロ機能はなかった」「あったけど使わなかった」「あったけど改修の際にオミットした」など、いろいろな考えを自分の中に持っていた方が、妄想が広がって楽しいと思います。^^

 

 

 

 

余談ですが、、、

ここまで時間をかけて映像作品を検証し、ようやく「ジャイロ機能は下部キャビンのみ」という結論に辿り着いたにも関わらず、

前回の記事でもご紹介した通り、今回の改修ビルドでは下部キャビンを作るのが精一杯で、ジャイロ機能の再現には至りませんでした。

 

なんだか微妙に労力と結果が結びついていないような…f^^;

 

 

 

 

・各作品から読み取れる、スレーヴⅠの内部構造

 

ここまで、スレーヴⅠの大きさが映像作品ごとに異なるという話や、ジャイロ機能の有無について検証してきました。

 

 

ですが、スレーヴⅠについて、最も多くの人が関心を持っているのはその内部構造でしょう。

 

部屋の数はいくつあって、それぞれがどのような役割を持っているのかという点ですね。

 

 

多くの人が関心を持っているだけあって、最も謎に包まれた部分でもあります。(なにせ描写が少ないので…)

 

 

 

私自身も明確な答えは持っていないため、基本的には各人の妄想に委ねてよい部分だと思います。

 

 

ただ、それだけではあまりに身もふたもない話になってしまうため、ここではスレーヴⅠの内部構造を考えるうえで参考になりそうな場面をいくつかご紹介しつつ、私なりの考えをお話ししようと思います。

 

 

 

まずはスレーヴⅠの内部構造が伺える映像作品のご紹介です。

一番最初にご紹介したものと重複してしまいますが、改めてご紹介しましょう。

 

 

映画版

「クローンの攻撃」

…カミーノの発着場でオビ=ワンとジャンゴが戦っている場面の途中、ボバがスレーブⅠを操縦して機体を回転させるシーンがあるのですが、その際に搭乗ハッチから入ってすぐの部屋の様子が一瞬だけ見えます。

映画でスレーヴⅠの内部が映るほぼ唯一のシーンです。

 

「帝国の逆襲」

…内部に関する描写はコックピットを除いて一切ありませんが、ボバのセリフから貨物室が存在することだけはわかります。

 

 

クローンウォーズ版

S2 ep20~22「デス・トラップ」「絆」「危険な追跡」

…主にコックピット~エアロック周辺の様子が確認できます。

また「絆」では、副操縦席の照準システムといったディティールの描写に加え、ヴァンコアで賞金稼ぎたちが使った2台のスピーダーを格納するだけのスペースがあることも伺えます。

 

S5 ep9「求められる絆」

…一瞬しか映らないため見落としやすいですが、搭乗してすぐの部屋の様子が映ります。

「クローンの攻撃」での描写と矛盾しないよう作られているのがわかりますが、注目すべきはep2で映らなかった天井部分にも扉らしきものがあることです。

 

 

マンダロリアン版

 

S2 ep14~16「悲劇」「信奉者」「救出」

…一方で「マンダロリアン」での描写は「クローンの攻撃」や「クローンウォーズ」のものとは明確に矛盾します。

搭乗してすぐの部屋には足元に黄色い梯子のようなものがあり、おそらくは下部キャビンになっているのではないかと思います。

 

 

ブック・オブ・ボバ・フェット版(2022/6/17追記)

チャプター2

…CW版と同様、コックピットの後ろに通路があることが明らかになりました。

一方で、通路とコックピットを隔てるドアが無くなっていたり、エアロックの入り口をふさぐような形で梯子が配置されていたりと、微妙にCW版と矛盾しています。

 

 

 

このように映像作品を見比べてみると、スレーヴⅠの内部構造の設定も作品ごとに異なっているように思えます。

 

作中の設定的に、「クローンウォーズ」から「マンダロリアン」の間では約30年の時が流れているため、その間の改修で間取りが変わったと解釈することもできます。

 

ただメタ的には、すでにふれたとおり映像作品ごとにスレーブⅠの大きさが明らかに違うため、結果的に内部のスペースや部屋数に違いが生じてしまったのだと思います。

 

 

映像から見た限りだと、マンダロリアンやBoBB版では下部キャビンと操縦席の2部屋、

映画版とクローンウォーズ版では少なくとも3部屋はありそうですね。

 

 

↑「BoBB」をふまえた内部構造のイメージ。

深緑の部分がコックピットで、サンドグリーンの部分が通路。白い部分が下部キャビン。

 

 

↑クローンウォーズ版の内部構造のイメージ。

ダークグレーの部分が下部キャビン。機体が大きい分、一部屋増えている?

 

 

 

また、コックピットの下方の細長い部分(上の画像グレーの部分)にも部屋があるとすれば、部屋数はさらに増えそうです。

 

 

 

 

先ほども紹介した書籍(?)の設定だとこんな感じになっているようです。

 

個人的にはこのレジェンズの設定のように、フェット親子の寝床として使う部屋や、囚人を入れるための監獄、さらに武器などを保管する貨物室などがあった方が「賞金稼ぎの船」としてふさわしいような気がします。

 

 

 

今回、私の改修ビルドでは内部に充分な部屋数を作れませんでした。

 

本当は、細長い部分の内側にも一部屋くらい作りたかったのですが、スペースが足りないだけでなく、機体の強度も下がってしまうため、断念する結果に…。

 

 

内部の部屋割りは資料が少ない分、思いっきり妄想を膨らませられる部分だと思います。

そのような、いわば作っていて一番楽しい部分を作れなかったのは大きな心残りです。

 

いつかまた改修するときがきたら、その時はもう一部屋作ることを目標に楽しみたいと思います。^^

 

 

 

 

以上、長くなりましたがスレーヴⅠに関する考察記事でした!

 

 

冒頭でもふれたとおり、今回の記事は私の備忘録も兼ねつつ、何かしらの形でスレーヴⅠの立体化を考えている人の参考にもなればという思いからまとめたのですが、とんでもない長さになってしまいました。

 

これでもまだ書ききれなかったことはあるのですが、さすがにもうまとめきれないのでここら辺で。

 

 

また、この記事を書くにあたって2カ月ぶりに自分の改修ビルドを見直したのですが、思っていた以上に手直ししたい点なども見つかりました。

だいぶ間隔は空いてしまいましたが、今回の更新は決して無駄な作業ではなかったなと、個人的には思います。

 

 

8月のレゴSWの新商品情報も解禁され、モチベはかなり上がってきているので、この調子で(次はもっと短めに)更新していけたらと思います。

 

 

それでは、また。

 

 

 

 

 

 

補足

 

今回私は参照しませんでしたが、スレーヴⅠのカラーリングに関するとてもよい資料があったので一緒に載せておきます。

 

ボバのスレーブⅠ

 

ジャンゴのスレーヴⅠ

 

 

May the Force be with you…