どうも、かぜのこです。
 
 
ここしばらく、ご紹介できるようなものがないなどと言って、誰得の名札紹介などをしておりましたが、
すっかり忘れてた!ちゃんとご紹介できるものありました!
 
 
 
 
 
ということで、じゃん‼
 
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※尻尾が緑なのは気にしないでください…。
 
 
「指輪物語」を原作とする映画「ロード・オブ・ザ・リング」三部作より、「fell beast 」です。
 
 
「ロード・オブ・ザ・リング」ネタは以前にも当ブログで扱ったことがありましたが、久々の登場です。
 
 
 
 
最初にこの「fell beast 」についてふれておくと、映画を見た人ならご存じ、指輪の幽鬼ナズグルが騎乗する生き物です。
 
映画では第二部の「二つの塔」から登場。孤独な旅を続けるフロドとサムの頭上を時折かすめては恐怖で震え上がらせるという、悪魔のような役どころです。
 
第三部「王の帰還」では本格的に戦闘に介入し、ペレンノール野の戦いではミナス・ティリスの投石器を破壊、またアングマールの魔王が騎乗した個体はローハンの王セオデンに重傷を負わせるなど、人間の連合軍に大打撃を与えます。(ちなみに、原作だとここら辺の経緯は少し異なります。)
最終的に、アングマールの魔王が騎乗した個体はエオウィンに討ち取られ、その他の個体も滅びの山の噴火に巻き込まれて全滅した、はずです…。
 
 
ちなみに「fell beast」というのは原作表記で、日本語だと「恐るべき獣」などと訳されるようです。
映画のパンフレットでは「おぞましい獣」でしたね。映画から入ったかぜのことしては、こちらの方が馴染み深いです。
 
これらの呼称はいずれも種族を表す固有名詞ではありません。
呼び方も必ずしも「fell beast 」ではなく「great beast 」、「winged shadow」、単に「beast」など様々で、日本語版でもそれらに対応して「巨大な怪鳥」、「翼ある影」、「怪鳥」などと訳されているようです。
 
そんな感じで、訳も呼称も様々あるのですが、当ブログでは「fell beast 」で統一しようと思います。
 
 
 
 
少々文字ばかりになってしまいましたので、写真を見ていきましょう。
(手が写り込んでいるのはあまり気になさらずに…)
 
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↑大きすぎるくらい大きい、ボロボロの翼
 
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↑上空からこんなものが急降下してきたら怖すぎる…。
 
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↑翼をすぼめてミナス・ティリスへダイブ。
 
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↑魔王 「そやつの肉を喰らうのだ…」
 
 
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今回は、外見もさることながら、可動域にもかなり気を使いました。
上の四枚の写真は、映画の中で個人的にかなり印象的だったシーンの再現です。
 
 
 
 
それでは、各部の詳細を見ていきましょう!
 
今回はかなり長くなる予感…。
 
 
 
 
まずは頭部から。
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けっこうドラゴンチックになってしまった…。
 
作るときは例によってあまり映像を見ないで作ってしまったのですが、映画ではもっとモンハンのフルフルみたいに首と頭の区切りがないようなデザインでした。
自分の中では、セオデンの愛馬をくわえてぶん投げてたイメージがあまりにも強かったので、少々大きく作り過ぎてしまいました。
 
 
 
 
首の構造はこんな感じ↓
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原案となっていたものが残っていたので載せてみました。
もうこの構想はかれこれ十年くらい温めていたはず…。
 
「怪鳥」によくありがちな長い首をどう再現するかという問いへの、自分なりの解答です。
 
実際には小さな骨がいくつもあることで、ああいったしなやかな動きが可能になるのだと思いますが、レゴでそこまで可動箇所を増やすわけにもいかないので、曲線を回転させることで生まれる変則的な動きと、クリップによる可動を組み合わせることで生き物らしい豊かな表情を出せるように工夫しています。
 
けっこう画期的なつくりだと思っていたのですが、2009年頃のキングダムのシリーズ(ホネホネアーミーがいたシリーズ)のドラゴンなんかは同じようなつくりでしたね。
すっかり先を越されてしまいました。(笑) 公式様様です。
 
 
 
↓割ってみるとこんな感じです。
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続いて、ボディ。
 
↓翼との接合部はこんな感じ。
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ブラケットのポッチが空洞のためか、少々保持力に欠けます。
 
普段はあまり気にならないのですが、普通のポッチと中が空洞になっているポッチだと、結合力に微妙な差が出るんですよ。
最近はそれに苦しめられることが地味に多いです。f^ ^;
 
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後ろのウェッジパーツは翼の羽ばたきに干渉しないようヒンジパーツで。
 
 
 
↓いろいろもいでみたところ。
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意外とバランスは良かったです。
自立できたのが自分でも驚き。
 
背ビレの形状はなかなかうまく形を出せたんではないかなと思います。
地味にこだわった場所の一つです。
 
 
 
余談ですが、この尻尾の構成考えた人って天才じゃないですか?
 
自分が知る限りでは2005年のヴァイキングのシリーズが初出だったはずです(※)。
すごくいいシリーズだったのにあまり出回らず、その後も発展しなかった…。管理人にとっては伝説のシリーズです。
ヴィジュアルよし、ギミックよし、世界観よしのシリーズなんて、あまりないですからね…。
 
初めてこの尻尾を見たときはいたく感動した覚えがあります。
なにせ、生き物らしい表情をここまで出せる、それもシンプルなパーツ構成で!
いろいろ角度を変えて眺めているだけでも飽きないパーツです。
 
そんなゾッコン惚れ込んでいるパーツですが、現在は入手が困難ということで、別色で代用しています。
またお城シリーズとかで販売されないかなぁ。
 
 
(※)調べ直したところ、2002年のアルファチームでも既に使われていました。商品番号4796など。
 
 
 
話を戻しましょう。
 
 
腰のあたりに一ヶ所ボールジョイントの関節があります。
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上下の可動域でみるとちょっと地味ですが、左右に動かすことで生き物っぽさが出せてる、と思いたい…。
正直、あまりいらなかったかもしれないです。(笑)
 
 
 
脚部
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バイオニクルなどでは以前から使われていたボールジョイントでしたが、「fell beast」を作っていたのと同時期ごろからクリエイターシリーズでも使用されるなど、システムビルドの中での応用が注目され始めました。
 
ということで、その流れに乗っかって脚部は全部ボールジョイントです。
 
 
ただ、保持力と結合力に少々難が…。
古い規格のパーツを使っていたせいかな?
 
胴体だけならしっかり支えられるのは上の写真の通りですが、翼を含めた総重量を支えるとなるとやや心許ないです…。
 
 
 
翼です。
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めいいっぱい広げるとこんな感じ。
少々見切れてしまいました。
 
四枚のポージング写真の中にもあったと思うのですが、翼を大きく三日月状に広げて、倒れているセオデンに覆いかぶさるシーンがとても印象的だったため、
羽ばたきの動きだけでなく伸縮の動きにも対応できるよう、ボールジョイントを仕込んでいます。
 
このボールジョイントがけっこうキーとなっていて、急降下の姿勢が取れるのもこいつのおかげです。
とはいえ、映像で確認したら翼の折り畳み方が全然違ったのですが。f^ ^;
 
 
少々見づらいのですが、ボールジョイントが仕込んである付近は関節より先の翼を挟み込める構造になっていて、羽ばたきの姿勢の際に翼の角度を保つ役割を果たしています。
3×6のウェッジプレートの部分などですね。ちょっとそこら辺のパーツには負荷がかかってしまいますが。
 
 
 
 
こんなところでしょうか。
 
 
以上、映画「ロード・オブ・ザ・リング」より「fell beast」でした!
 
 
 
 
ちょこっと思い出話をすると、これを作った当時は「fell beast」を題材にした作品をレゴクーソーに出せないものかと考えていました。
「指輪物語」は文学史に残る大作ですし、世界中にファンがいます。(日本にいるとあまりそうは思えないですが)
 
出せばけっこういいところまで行くんじゃないかなー、なんて思っていたものですが、知り合いから「レゴクーソーに出すためにはけっこう手順が大変らしいよ」という話を聞いて、
けっきょくその手順すら調べずに諦めてしまいました。f^^;
 
その頃はひたすら「働かないで食べていける方法はないかなー」なんて考えていたものです。(今もときどき考えるけれど。笑)
あまりにも怠惰なクズ学生の典型っぽいエピソードで、いま思い出すと笑ってしまいます。
 
パーキンソン病患者を支援するために自分たちの取り分を使ったというデロリアンの立案者の方とは天と地ですね。(笑)
 
 
 
と、ここまで長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただいたみなさん、ありがとうございました。m(_ _)m
 
明日はfell beastのオマケ記事を載せる予定です。
 
 
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