お彼岸が過ぎ、朝夕は少しひんやりとして来ましたね。
お熱が出たり、体調を崩されるおともだちも出ています。
夏の疲れも出る頃ですが、手洗い、うがいをして、しっかり睡眠、しっかり栄養で、乗り切っていきましょうね。
リトミックレッスンでも、秋らしい楽しいプログラムがいっぱいです。
まだ小さなおともだちでも、音楽に合わせ、イメージを膨らませて動いている姿が見られます。
こんなに小さくても、この子の中には、音楽があるのだなと感心します。
親子リトミックで、音に反応し、音楽に合わせて動くことに慣れてきた子供たちは、その後教室に進級されてからも、プログラムを消化する早さ、反応の良さが違います。
私たちの教室では、水泳に喩えるなら、1、2歳は水慣れ、3、4歳は、けのびやバタ足などの部分練習、5歳でようやくクロールの泳法に入ると言ったイメージです。
1、2歳では、ママと一緒に音楽に従って動く、音に反応することをし、3、4歳では、拍、拍子、リズムパターン、ニュアンス、音の高低、音程、重音を学び、5歳では、それを総合的に合わせて、拍子とリズム、和音を身体で表し、ニュアンスやフレーズも動きによって表現していきます。
もちろん泳ぎはクロールばかりではなく、平泳ぎや背泳ぎ、バタフライもありますよね。
風の子ジャックでも、5歳で2/4、3/4、4/4拍子とⅠ、Ⅳ、Ⅴの和音を学びますが、実は、その先にも、まだまだたくさん課題が続きます。
「リトミック」を、ピアノを始める前の予備、準備と思われる方も少なくありません。
しかし、音楽を自分のものにし、説得力のある演奏、或いは感動を与える演奏を行うには、テクニックばかりでなく、音楽の総合的なスキルを必要とします。
音楽を専門的に勉強しようと考えた時、必ず楽器と共にソルフェージュを並行して学ぶのも、そのためです。
音楽では、耳の良さがとても重要になります。耳の良い子はバランス感覚に優れ、暗譜も早いです。
人に感動を与える音楽には、調性やハーモニー、ニュアンス、音色の持つ豊かなイメージ、各声部を聴き分けられる耳、フレーズ、構成、生き生きとした拍子やリズムがあり、作曲家が生まれ育った国や時代、作曲家の思考や心も聴き手に伝わるものでしょう。
テクニックは間に合っても、耳を養い、音楽的感覚を目覚めさせるのは、早いに越したことはありません。
楽器を手にしてから、伸び悩む原因が、耳の悪さだったり、拍を感じていないために縦が揃わなかったり、リズム感がないために妙なところにアクセントがついたり、ということだったりします。
逆に耳ばかり養う教育をして、全く読譜出来ない子供もいます。
いきなり楽器からスタートすれば、拍をとること、音を読むこと、リズムを打つことなど、結局はレッスンの大半をそのような基礎の学習に充てることになります。
最悪の場合、音楽のないまま、耳を養わないまま、まるでPCのキーボードを叩くように音を並べることも起こりうるわけです。
私たち講師も、学び続けている「リトミック」
「リトミック」は、リズム、ソルフェージュ、即興を柱とした、音楽に必要な能力を培うためのツールで、楽器が弾けない幼児のための音楽あそびではありません。
学べば学ぶほど、音楽の本質に気がつき、自分の未熟さを知り、もっと小さな頃からリトミックに出会っていたらよかった...と思います。
生徒さんには、将来、音楽を形ばかりのものではなく、心から喜びが得られるように、幼少期こそ、総合的に音楽の基礎能力を培って欲しいと思います。
風の子ジャックリトミック教室では、全身を使って、リズム感や耳を養うだけでなく、楽譜に体得した感覚を結び付けていくことをしていきます。楽譜を見ただけで、心の中で音楽が鳴り響くようにすることを目標とします。
水慣れ、或いは、けのびやバタ足だけでおしまいと思われるのでしたら、もったいない話です。
大作曲家が作った音楽を弾きこなすために必要なスキルは、楽器を操るテクニックばかりではありませんよね。
cheese