2日目昼頃に
高山病の症状が重くなり、
標高4300の山小屋から3700まで下山。

一晩休息し、
症状に改善が見られたので
周先生と相談した結果、
再び、山小屋まで向かうこととなった。

✨3日目、13時、−3℃、雪❄、標高3700✨
スタッフ「気分はどう?まだ頭痛がある?」
一博「頭痛は治った。少しだるさが残ってる。」
スタッフ「頭痛が治ったのは良い事。
再度上がって、体調をみてみよう」

車で行ける所まで進み、馬に乗り換え、
昨日いた山小屋まで戻る。

先生「下山となった昨日はとても心配だった。
今回の企画はここまでだと正直考えていた。」

✨14時、−5℃、雪❄、標高4400✨
山小屋で待機していた先生と
雪原で再会する。


先生「一博!体調はどう?」
一博「下山して休んだから多少良くなった。
でも万全ではなくて、だるさがある。」

先生「昨日の疲労の蓄積があるのだろう。
全快には時間が必要。
見た感じだと昨日より随分改善していそうだね。」
一博「はい😊」



先生「天気も素晴らしい(笑)」

雪❄雪❄雪❄

一博「うん。本当に素晴らしい荒れ具合(笑)
昨日は晴れてたのに、今日は雪がまた降ってる。」


先生「こんな天気だけど
スキーには向いている!
山の上から滑り下りると爽快なんだよ😆👍」
一博「それは楽しみ!」
先生「明日は山頂を目指そうと思っている。
そこから下りる時はスキーとボードで下りよう!」
一博「はい!」

✨ミッション:雪崩救出訓練✨


先生「今日はこの雪原で
雪崩に巻き込まれた仲間を
救出する訓練をしよう。
それから明日使うスキー板で
斜面を登る練習もする。」
一博「分かりました!」

先生「雪山登山者には
必ずこの訓練を経験して、準備をしてほしい。
25度から36度くらいの傾斜が
スキーヤーには最も滑り安い。
だからこれくらいの場所が
最も雪崩のアクシデントが多いんだ。」



先生「雪を掻き分けるスコップを組み立てよう。
雪山の装備には必須だよ。
これはトランシーバー。
雪山登山の時に身に着けておくと
雪崩にあってしまった時、信号を発信してくれる。」

先生「じゃあ今から捜索してみよう。
事前に装置を埋めておいたから、
この装置を捜索モードにして探してみて。
少し難しいかもしれない。」
一博「難しそうだ。
実際、生命の危険が迫ってると考えたら
冷静には対処できなさそうだ。」

捜索モードに切り替え、真剣に探す

先生「目標に近づくと音が変わる。
近づいてきたね。装置を雪面にあてて
捜索棒で周りを探してみよう。」


一博「あっ!ココに何かある!」
先生「じゃあ、そこを目印にスコップで
掘ってみよう!」

実際には5分以内が救助のリミット
全力で掘り進める

先生「あっ!見つけたぞ!人工呼吸だ!」

心臓マッサージと人工呼吸を行う

先生「よし!人命を救ったぞ!よくやった!!
2人で掘ったけど、こんなにも息が上がって
大変だったね。実際の人だともっと大変だよ。」
一博「掘る作業が一番大変だった。
訓練だったから探す距離は短いけど、
現実に起きたら探すだけでも
とても大変だと思う。」
先生「そうなんだ。だから訓練が必要だよ。
よし!救助訓練は成功だ!」

✨ミッション:分離板使用訓練✨
先生「次は分離型スキー板の使い方を学ぼう。
歩き方を覚えないと疲れて登れなくなるよ。」
一博「はい!」
先生「雪を踏みしめた時、
上に登れるように板を組み立てていこう。」

スノボとしてもスキーとしても使える板を
スキー型にして登山用の靴装置をつける

先生「できたね。今から登るけど、
この板は雪面につけたまま踵を上げて進むんだ。
板を持ち上げると足が疲れてしまうから
歩き方に注意して。どう?板は重いかい?」
一博「大丈夫。軽く感じる。歩き安い。」
先生「雪が深い時、この歩き方だと楽だよ。
じゃあ、次は登る道を考えよう。
斜面に対して真っ直ぐに登ろうとすると
大変で体力を消耗してしまう。
だからジグザグに斜め上を意識して登るよ。
後ろをついてきてね。」

先生「どう?靴より板の方が登り安いかな?」
一博「随分違う。板の方がずっと登り安い。」

先生「ここで板をスノボ型にして
滑り下りてみよう!
先にスキーで下りて待ってるから
合図したら下りてきて。」
一博「はい!」



先生「いいよ!」
一博「わっ!板が柔らかすぎて転んだ!
この板に慣れる必要がありそうだ。」

先生「雪が柔らかい所は体重をかけると
板が埋もれてしまうよ。」
一博「雪が柔らかい上に板も柔らかい。
少しコントロールが難しい。」
先生「明日はもっと上手く爽快に滑れるよ!」
一博「練習したからできそう!」
先生「じゃあ今日の使い方の練習は完璧だ!
よくできたね。」
一博「ありがとうございます。」

程耳監督「引退する時を考えたことは?」
一博「ないです。まだ考えたことがない。
まだまだ引退は早い。
当分は俳優として経験を積んで
良い俳優になりたい。
こんな風に思うようになったのは
コンペティションという映画を観て、
映画というものは
人生の延長線上にあるのだと感じたからです。」

一博「あります。
オートレーサーになろうと思っています。
今の年齢だと
テニスやスキーでプロになるのは難しい。
オートレーサーなら実現できると思う。
毎回新たな分野への挑戦はゼロからのスタート。
学んで徐々にステップアップしていく。
人生の途中で新しく別の山を見つけて、
また一番下から
頂上を目指して一歩ずつ登り始める。
この挑戦には間違いなく、
主動的な要因と受動的な要因が存在している。
理由はどうあれ、
登る過程で得られる経験値は人生の糧になる。
無駄な経験は無いと思います。」
✨18時半、3℃、晴れ、標高4300✨
先生と山小屋に戻り、休憩して夕食をとる


先生「頭痛はどうなった?」
一博「今日はほとんど無かった。ほんの少しだけ」
先生「昨日の下山と休息が効果的だったね」

一博「ただ、今あるのは涙で目が潤む症状」
先生「何かに感動したの(笑)」
一博「(笑)いや、眼圧が上がってるから」


先生「標高が高いからね。
今日は体調が改善されて、訓練も無事にできた。
明日の登頂に自信が持てる。」
一博「僕も自信がある」

先生「登頂は午前中に終えたい。
11時に登頂して下りてくるのが理想的。」
一博「それ以降だと
太陽光で雪が溶けやすいから?」
先生「その通り!明日の最初の課題は早起き!」
一博「大丈夫!」

先生「日の出前には出発する。
今日は早めに寝て、明日に備えよう。」
一博「よし!寝よう!」

明日は山頂を目指す!体調は良い!おやすみ💚

✨4日目、4時半、−9℃、晴れ✨
先生「おはよう!どうかな?体調は?」
一博「うん…大丈夫…頭痛も無くなった」
先生「良かった!じゃあ起きて準備しよう。
こんなに早起きした経験は?」
一博「4時はあまり無い。」
先生「登山に早起きは必須だ。」
一博「はい…」

先生「じゃあ出発だ!」
一博「雪がキラキラしてる」

昨日学んだ疲れにくい方法で
先生の後ろをスキーでひたすら登っていく

先生「夜が明けてきた。山頂が見えてきたね」
一博「(写真を撮る)」


先生「とても美しい!天気も最高だ!」
一博「こんなにも新鮮な空気は初めて。
吸い込むととても気分が良い!」


山頂近く、強風で雪が舞う

先生「うおほほほ〜!」
一博「うおほほほ〜!(笑)」


✨6時45分、−8℃、晴れ✨
標高4500に到達
スキー板に滑り止めを貼って進む



一博「まだ遠い?」
先生「大丈夫。ほぼ予定通りに進めてるよ」

疲れで歩みが遅くなって
先生から少し遅れてしまう


先生「(雪に頑張れ!と書いた)」
一博「ははは!(雪にGO!!と書く)」



山頂は見えているのに
なかなか近づけている気がしない

先生「少し休息しよう」
一博「(荒い呼吸)」
先生「よし!行こう!」
一博「(言葉が出せない、それでも歩き始める)」


✨9時、標高4950✨
ここからは傾斜がさらに厳しくなるので
スキー板を脱ぎ、
専用の爪を靴に付けて
手には小型の鎌を持って氷にさして登る

先生「ここまでどうだった?」
一博「ただただ疲れた…」

程耳監督「今回標高がとても高い所まで登った。
この経験は肉体的な能力を試す機会になったね。」

先生「二人の身体をロープで結ぼう。
先に登るからロープがピーンと張ったら
僕の足跡と同じ位置を踏んで登ってきて」
一博「はい!」

傾斜が50度〜60度になり、
踏ん張る力が少なくなって座りこむ



ほぼ崖を真上に登る感覚に近い
しかも雪によって
踏み出しても踏み出しても滑って進まない

一博「もう足に力が入らなくなった」
先生「岩に鎌を引っかけて身体を持ち上げよう!
もう少しだ!最後の10メートル!
ここからは先に登ってごらん」

✨標高5005!登頂に成功!✨
一博「わあっ!わあ!」
先生「頂上についたぞ!すごい!
よく頑張ったね」


一博「空気が美味しい…価値がある
頑張ってここまで来る事に価値を感じる」
先生「人生初めての5000だね」
一博「はい!」
先生「人生新高度!記念に一緒に撮ろう!」


一博「地上に居ても
山頂の景色を想像することは難しくない。
スマホを開けば写真も見られる。
だけど、今この瞬間の驚きと感動は
実際に登ってみないと味わえない!」


一博「山頂に立った時、
ここまでの苦労は全て消えていくはず!
苦労が多ければ多いほど
嬉しい気持ちも大きくなる。正比例だよ」


先生「人生の絶頂にいる気分がしないか?
高原病で苦しんだりもしたけど、
ここまで成し遂げれて本当に素晴らしい!
人生もこうして自分で一歩ずつ立ち向かう。
今見ている景色は筆舌に尽くしがたい。
何ものにも代えられない」
一博「はい。先生の話に感動しちゃいました…
ここまで本当にありがとうございます。」
先生「とても嬉しい!
後はこの景色をただ眺めていよう」
監督「今、君は若くして
いろんな方面で成功している。
この成功が続いてほしいと思っているだろう?
でも現実的にはそれはあり得ない話で
近い未来、急にこの状態が終わるかもしれない。
身の回りがこんなに騒がしくなくなったら、
人々が君に関心を失くしたら、
その時はどうする?」

一博「山に登る事と人生は似ている。
苦労して頂上まで登りつめて
そこからの景色を楽しむ。

そこから継続して
自己実現に取り組んで
もっと高い山を目指すだろう。

その途中で転げ落ちるかもしれない。
それでも最終的には良い景色を見て下りる。
僕の仕事にもこんな似たような起伏がある。

安定してゆっくりと下りるのは
もっと歳を重ねてから。
その時、怖さがあるのかどうかは分からない。
でも心を穏やかに保って、
自分が頂上にいた瞬間を振り返りたい。

あの美しかった風景を思い出して、
それを心に閉まって、
その後もポジティブに生きていきたい。」
✨雪山編 完✨


デビュー10周年おめでとうございます💚
ここまでの道は山あり谷ありで、
ここから先も平坦ではないはず


「今」を大切に生きる生き方をしてきた
「王一博」は
これからも高みを目指して進んでいくニコニコ


その背中を静かに見守って、
そっと応援していきたい💚
熱烈最高ですニコニコ飛び出すハート


※写真・動画:

weibo、ネット上より拝借しました