どなたにLOVE修行5 | たんたんたぬきのハラ時計

たんたんたぬきのハラ時計

ゆうなぁの小説
じゅりれなの小説。

アイコンか、コメントで
46、48ファンと
分からない方々様は
フォロー及びアメンバーの承認はしていませぬので、あしからず

言われるままに
向井地の指差す方を見れば

ひとりバーベキュー会場を
あとにする岡部主任の姿が・・・

「行ってっ、オカダっ‼︎」

「え?私⁉︎」

「同じ課だから、私同じ
課だから、まだアンタの方が気楽に・・・」

「で、でもチーフが」

「見てる私が、行って、早くっ‼︎」

「う、うん、でも」

「いいから早くっっ‼️ ‼️」

そんな向井地に
背中を押されて
若干後ろ髪を引かれつつも

私は急ぎ足で
岡部主任の後を追い・・・


すると主任は
会場から真逆
海の見えるコテージのテラスに
ポツンとひとり腰を降ろしたりして

平たく言えば
さり気なく声を掛けるには
絶好のチャンスってワケで

「ああ、先客あり」

「お、かださん?」

「はい、岡田です、こんばんは
夜景が綺麗な場所があるって聞いてたんで」

「ひとり?、彩希は?」

「向井地と呑んでます」

「呑んでる?
酔い潰れてるんじゃなくて?」

「そうとも言う」

「しか言わない」

「はは、ですね」

なんかバレバレ
だと思い乍らも

そこはそれ
長年培ったナンパ術よろしく

それ以上余計な
事は一切言わず

これ全身耳と化しひたすら
主任の次の言葉を待つべく

目を細め
夜景を観るふりに徹し・・・


「多分ね」


果たして主任は
待つ事、数十分独り言の様に

ポツリポツリと
クチを開き始め

「多分なんだけど」

「はい」

「私前回の人事の時に
評価にS査定が着いてたから」

「あ、もしかして
内定貰ったんですか?係長の」

「ううん、それはまだ」

「けどこのまま何事も無ければ」

「うん、だろうね」

まるで他人事の
様に素っ気ない・・・


〝ああ、なるほどね〟


つまりこの口調から察するに
主任の悩みはもう
それしかないだろってコトで

私はもう話を
逸らされるかもしんない事を承知で

「で?・・喜んでくれない人がいる」

「えっ?」

「えっと、だから
主任の昇進を・・・違いますか?」


「・・・・・」


途端、主任は
手に持った缶チューハイを
此方が驚く
程に一気に飲み干し
「ホント、困ったもんだ」


なんて
苦笑い・・・「あたり」


やっと本音で
小さく呟いた。