「ホントお久しぶりです。
あの頃は毎日が
楽しかったなぁ・・・
茂木先輩や
向井地先輩はお元気ですか?」
「うん、まぁ
元気だけど、ただあの2人・・・」
「はい?」
「ああうん
なんでもない、なんでもない
もしかして大学生になってからでも
独りでいる事のが、やっぱ多いの?」
「ええ、ですかね」
唯一学内で
『岡田ルール』の外にいる利点よろしく
学生街近くにある
行きつけのスタバに私達は足を運び
にしても
相変わらずと言うか
度が過ぎる程
モテるのも考えものかもしれないと
流石に此処に
きて私も些か心配になり
「ですかねって・・・
だってそれじゃこの先
友達は疎か好きな人を
つくるのも一苦労なんじゃない?」
「ああ、
うーん・・・どうかなぁ
けどまぁそこは
あんま意味ない
事かもしれないですね」
久々に聞く彼女の
口癖に若干の懐かしさを感じ乍ら
「意味ない?」
「ええ、はい。
友達はもとより
もし仮に好きな人が出来たなら
幾らなんでも
流石にそれは
自分から行動に移しますから」
「移すの?」
〝移すと思います〟
では無く
驚く程ハッキリと
予想外の答えを彼女はこれでもかの
ポーカーフェイスでさらりと口にし
移す?行動に
けど出来たらって事は「今は、いな・・・」
「あ、すいません」
「え?」
「あのちょっと
お手洗い行ってきていいですか?」
「あ、ああ、うん」
〝はぐらかされた?〟
ううん、あの子の
性格からして確かになかなか
本音を話さない
タイプではあるけど
少なくとも私達3人に対しては
かなり心を開いて
くれていた筈だと
通路をあとにする
その背中を見送り乍ら
・・・と、
彼女の姿が
視界から消えたとほぼ同時
無造作に
テーブルに置かれた
スマホに
LINEのバイブが響き
彼女の手によって
つい、今し方まで
操作されていた画面がそのままに・・・
《なぁちゃん
久しぶりーっ、いいよ会えるよ‼️》
「・・・‼︎」
じゃあゆっくり話せる場所がいいよね》
〝大事な話・・・?〟
そのアイコンを
目にした瞬間「嘘でしょ、なにこれ」
もう殆ど
無意識の内に私は呟き