法定速度と優越感 8 | たんたんたぬきのハラ時計

たんたんたぬきのハラ時計

ゆうなぁの小説
じゅりれなの小説。

アイコンか、コメントで
46、48ファンと
分からない方々様は
フォロー及びアメンバーの承認はしていませぬので、あしからず

見ると其処には
高校の頃より少し大人っぽくなった彼女が

相も変わらず
笑顔は無しで

それでも伊達に
部活で2年も連んでいた訳じゃ
ないんだと我乍ら感心する程に
〝あ、これ笑ってないけど
実はめっちゃ喜んでる時の顔じゃん〟

素早く察知。

そうなったらなったで
1年前のモヤモヤはいともあっさりと
懐かしさと
好奇心ににすり替わり

「ええっ⁉︎嘘っ
なんでなぁちゃんが此処にいるのっ ⁉︎」

「あの、この春から」

「ウチの大学に⁉︎」

「はい、どうしても
行きたい学部があったので」

「・・・・」

〝おお、初っ端から
出鼻を挫いてくれるじゃん〟

なんて
密かに思う。

『嘘でもいいから

〝彩希さんを
追っかけてこの大学に来ました〟

くらいは
言えないもんですかね』

もし私が向井地みたく
開けっ広げな性格だったら
或いはクチに
出せたかもしれない言葉を
グッと飲み込み

「そっかぁ
相変わらず勉強が好きなんだね」

「好きです」

〝はいはい・・
分かってますよ、勉強がね〟

ただそれはあくまでも
私の中の勝手な感情である事位

此方としても
彼女と同じく大人になった分だけ
そこはシビアに理解出来、


けれどそんな
再会の余韻に浸る間も無く

「えっ?なになにっ
この子彩希の知り合いっ⁉︎」 

「あ、うん
おんなじ高校の・・・」

「やだなに
後輩っ⁉︎もぉぉーっ言ってよ早くぅ‼︎」

途端私は
学友達に押しのけられ

「ねねねっ、あなた

今年の春からうちの大学で
新設される事になった
人間学部1年の岡田さんじゃない?」

「あ、ああ、はい・・・」

「ええっ‼︎
この子がそうなのっっ⁉︎」

「そうそう
今ゼミで噂んなってる〝笑わん王子〟」

「えええっマジ⁉︎
そんなの私聞いてないよ」

「彩希あんた
いつもボケーっとしてるから」

「え?ひど」

「やだなに
噂通りじゃん、かっこかわいーっっ‼︎‼︎」

「ちょっと
あんたもうカレシいるじゃん」

「それとこれとは」

「そうそう
下手なオトコと付き合う位なら」

「ならフェアに
いこうよフェアにっ‼︎」


つまりはどうやら
何年経っても
所謂『岡田ルール』は
健在だったってワケで・・・