僕の夏が始まる 2 | たんたんたぬきのハラ時計

たんたんたぬきのハラ時計

ゆうなぁの小説
じゅりれなの小説。

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「あ、やべ・・・」「マネージャー」


振り向くと同時
あれだけ威勢の
良かった夢莉と私は即座に固まり

「あのさぁ
夢莉ぃ、なぁちゃんっ‼️

暴れるのは部活だけに
しときなさいって
毎日あれだけ言ってるでしょっ‼️ ‼️」

「はい・・・」「しいましぇん・・・」

「てか、夢莉
もちっと真面目に謝れよ」

「いや、充分真面目やろ」

「どこが?」

「ここが」

「ここってどこ?」

「せやから、ここっ」

「そこは
お前の耳だろーがっ‼︎」

「ほらもういい加減にしてっっ‼️ ‼️」

今度こそガチで
項垂れる私達を前に教室は
拍手喝采の大笑い。


「いやー流石
サッカー部の敏腕マネージャー」

「やっぱこの2人の
首根っこ捕まえられんのは彩希だけだわ」

「てか冗談じゃないよー、もおっ
ただでさぇ部活だけでも大変なのにぃ」

そう言ってふくれっ面
よろしく夢莉と私を睨みつけるのは

前記の通り
どうにもこうにもさっぱりアタマが
上がらない我サッカー部の
鬼マネージャーだったりなんかして

「てか、もう直ぐ
インハイの予選が始まるんだから
2人共怪我だけは勘弁してよねっ」

「そっか夢莉
もうそんな時期なんだよなぁ・・・」

と、ここら辺りで
私達はまんまと村山の術にハマり
真面目モードに切り替わるってか

「今年こそは全国行きたいわ」

「去年は準決勝で乃木高に」

「あー・・そうそう
けど今年は白石が卒業しとるから」

「でも梅澤ってやたら
タッパのあるのが育ってきてるみたいだし」

「まぁどのみち
あそこを倒さへん事には・・・」

「見えて来ないだろーね全国は」

「せやな。ほな、お腹も一杯に
なった事やし、いっちょボール蹴ってくるか
なぁちゃんはどないする?」

「行くに決まってんじゃん」

夢莉の行く所は私も行く
夢莉のやる事は私もやる

けれどそんな私にも
唯一ライバルにすらなれないものがひとつ。


「あ、待って夢莉
ブレザーのボタン取れかけてる」

「ん?どこ?」

「ほら袖んとこ。

いいよ脱いで
お昼休み終わるまでに縫っとくから」

「すまんな彩希、ほな頼むわ」

「夢莉、先行ってるよ」

「ああ、直ぐ行くから場所取っといて」

「おっけー」


なんてさり気なく
教室をあとにするんだけど・・・
これだけはもう
何をどうしても闘うもへったくれ


ただ黙って
2人を見ているしか仕方のない。


つまりは


不戦敗ってわけなんだな・・・。