上のちびが

『はい』と言って渡してきた

浜辺での話



いつの頃からか

旅先で、石を探して

自分のおみやげにするようになった


きっと

おみやげ屋さんのない

山歩きをする事が増えていた事

記念にするのに

その唯一感があった為と思う


奥様には邪魔者扱いされていたその感覚を

上のちびは引継いでいてくれて

修学旅行のおみやげに

石を持って帰ってきてくれた


玄関先にたくさん並ぶ石

気が向くときしか

どこの石か書き込まないので

出身地不明の石も多いけれど


なんだか愉しい

自然のものであって

不自然な形をしていたり

人の細工より手に馴染む石



忘れられていく記憶を

なかったものに出来ない記録

その存在の意味を知る