風来&Sun(kazekurusan)~飼い主とわんこの楽しくておいしい穏やかな時間

風来&Sun(kazekurusan)~飼い主とわんこの楽しくておいしい穏やかな時間

わんこのこと、ホリスティックケアのこと、
風の吹くまま、気の向くままに…

澄み渡る空、素晴らしき一日の始まり。
愛しき物をお空のミルヒに送る日の朝の風景。



子供の頃から何度も通った地元の神社。
調子が悪くなったり回復したりすると必ず自分の足で向かいました。祈祷を通して神様と繋がっていたようです。ミルヒはここに来れば全ては好転すると気付いていました。正にholistic careの申し子です。

櫛魂まつりのお焚き上げ。
奇しくもこの日は13年前に私がミルヒに初めて会いに行った日でした。

ミルヒのベッドやお洋服、おもちゃ。
袋に入れてまとめていたのですが、お届けする前にもう一度お日様に晒し風を通しました。
広げるとあまりの量の多さに微笑んでしまう。
沢山の思い出、懐かしい光景。
数ヶ月前まで当たり前に使っていたのに遠い昔のようにも感じる。そして一つずつお礼を言って丁寧に袋に入れていく。


お焚き上げ会場へ。
宮司さんが私と品物をお祓いしてお清めしてくださり、宜しくお願いしますと託しました。その間、流れ出した涙が止まりません。
「ありがとう、さようなら」
これでミルヒの匂いがする物と永遠のお別れになりました。

本殿に向かうといつもは閉められている扉が開いていて、祭壇の鏡が神々しく輝いているのを見つける。小さいけれどあまりの存在感に見惚れてしまう。
まるでネロが最期の時にルーベンスの絵画を観た時みたいってふと思う。
ミルヒ、見えた?感動しちゃうね。凄いご褒美をいただいたね。


そしていつものように神様にお参り。でも今日のお願い事はいつもとちょっと違う。


「神様、お願いがあります。いつもここに熱心に通ったミルヒちゃんに荷物を届けてくれませんか?顔馴染みの神様が行けばミルヒは喜びますし理解しますから。お願いしますね!」


きっと翌日「櫛稲田姫命」姉さんと「素盞嗚尊」兄さんが紙袋を抱えてミルヒを訪ねてくれたことでしょう。
神様に遣いを頼んでしまいましたがきっと快く引き受けてくれたと信じています。

きっと紙袋をひっくり返して喜んでいるかな。
お待たせしちゃったけどこれでやっとベッドで眠れるね。寒くなったらお洋服着てね。若返っていたらおもちゃで遊びなね。

我が家からミルヒの痕跡が殆ど失くなりつつ…悲しさもあり、気持ちの整理にもなり…遺していても意味はない、ならばミルヒに返すのが筋と納得させながら。
私はこれからもきっと生きていく。
ミルヒがいなくても前に進んで行かなければならんのですから。