二日続けての小林旭の話。

 今日もシネマヴェーラ渋谷の鈴木清順監督特集に行く。今日はアキラ主演の任侠映画『関東無宿』を見る。
 これで、この特集でのアクションスターになってからのアキラの映画は最後になる。アキラがアクションスターになる前から清順監督とは組んでいるが。

 しかし、アキラがアクション映画のスターになってからの清順監督の作品。今回の『関東無宿』しかり、『花と怒涛』、『俺達の血が許さない』の三本は、なぜかアクション映画としての爽快感がない作品ばかりである。
 この三本のどれもアキラはアンハッピーエンドになってしまうのである。また、アキラの危険なアクションシーンも皆無である。
 だから、アキラ映画としては物足りないという感想である。

 しかし、清順監督映画として観ると面白い映画になっているのである。清順監督の演出は小林旭のヒーロー性を消してしまうくらい強烈なものなのである。
 だから、アキラが主演で爽快感がなくても、清順監督だと面白い映画になるのである。
 映画スターは強烈な光を持っている、しかし、清順監督はそれすらも自分の映像の一部にしてしまうのである。
 だから、後年、『ツゴイネルワイゼン』の大正三部作のような、強烈な映像で占められる映画を撮ることができたのかもしれない。

 しかし、我が強いアキラも自分が消されてしまう映画に出たものである。もしかして、アキラも清順ワールドが好きだったのかもしれない。


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