『不器用なもんで』金子達仁.著
名画座マイト館

 
スポーツライターの金子が、我が大スター小林旭にインタビューをした評伝本。過去に何度もアキラの自伝本を読んでいるせいか、かっこの中はアキラの言葉だが地の文は金子の言葉というよりもアキラの言葉で書かれている感じがあった。

 それというのも、この一言でいえば、現代のマスコミや政治に対するアキラの愚痴で作られている本だからである。

 たまたまやくざが出席しているとは知らないパーティーに参加して、まるで積極的に参加したようにマスコミにかかれ、自分の言い分が聞いてもらえないこと。
 自分が出た映画や歌った歌には金がかからず他人だけが儲ける。でも、その儲けた人間は自分には何も言ってこない。
 また、アキラが監督した『春来る鬼』ではスタッフが自分の言うことを指示してくれなかったこと。

 そんなことを含めたいろんなことの怒りが描かれている。まるでこの本はアキラが愚痴をいいたいから出版されたのではと思えるぐらいの本であった。
 小林旭という時代を作ったスター。そんな人でも世の中に不満を抱いているのかと読んでいて驚いてしまった。
 今まで、アキラが書いてきた自伝本は自分の人生の前向さを謳いあげる内容であっただけに、なおさらであった。

 しかし、そんな世の中でも、自分は世間に負けない。73歳という高齢だが、年を認めたら自分は老人となり、もうそれでストップしてしまう、だから決して高年齢と認めず前進をしていく。

 結局、アキラの前向きな精神で終わっているのである。怒り不満を抱いても、それに流されず己を貫く精神。まさにこれぞマイトガイ節である。

 読んでいて、結局、活力をもらった本であった。


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