今日はシネマヴェーラ渋谷の清順特集に行くのだが、二本は見ないで前に見てから時間が経っている『肉体の門』だけを観ることにする。

 そして、同時上映は『けんかえれじい』であった。以前、この日記で『けんかえれじい』は滅多にベスト1を言わないオイラが、どうしてもと言われたたら、間違いなく挙げるほど好きな映画である。

 ただ、『けんかえれじい』は先日のラピュタ阿佐ヶ谷で観たなかりなので、今回はパスしようと決めていた。

 ところが、ヴェーラのロビーで『肉体の門』が始まるまで待っていたのだが、劇場の音がロビーに流れているのである。しかも、ヴェーラは受付に会場内を映したモニターがあるので、小さい画面ながらも映画を観ることができるのである。

 ロビーに入った時はちょうど『けんかえれじい』のラストであった。最初はロビーの棚に置いてあるチラシを見て時間を潰そうとしていたが、場内の音が漏れて気になってきたのである。

 悲しさ漂う、この映画のテーマ曲。オイラはその曲を聞いていたら、目は受付のモニターに行っていた。
 そこには好きな女性に別れを告げられる主人公の姿。そして、大きな喧嘩を見るために東京に旅立っていく姿が映されていた。

 このラストまでのシーンこそ、オイラが『けんかえれじい』という映画が好きな理由なのである。
 恋に破れても、自分の進む道に突き進む主人公。今、考えると彼のその男らしさがいいから、この映画を好きになったのかもしれない。

 それに気付き映画に感動した時、オイラは『けんかえれじい』をまた見たくなってきた。幸い、次にこの映画が上映される時の同時上映の映画も観たい作品だったので、その日に観に行くのを決めるのであった。

 本当、好きな映画はまた観たいという意欲を駆り立てるものである。