■外部リンク:日本ビジネス 電子版「10秒で文章やウェブサイトを3行に要約、無償で使えるAIの実力は?」(2021/8/27)
AIが日本語の文章を100文字くらいに要約してくれる「ELYZA DIGEST (イライザ ダイジェスト)」というサービスが、実証実験中です。
使い方はカンタン。
要約したい文章を入力欄に入力または貼り付け、もしくは要約したいページのURLを入力して、「要約スタート」をクリックします。
すると、入力した文章を、2~3行、およそ100文字に要約したものが表示される、というモノ。
記事を見た限りでは、けっこういい感じで要約できているな、という印象です。
そこで、私もいくつかの文章を要約してもらうことにしてみました。
●気象情報の場合
まず手始めに、台風情報の文章をまとめてもらったところ……。
「大型で非常に強い台風16号は30日12時現在、日本の南の海上を北北東に進んでいる。人が住む島では伊豆諸島の最も南に位置する青ヶ島が強風域に入りました。台風の進路に近い伊豆諸島南部を中心に、大荒れとなるため厳重な警戒が必要。」
パッと見ではよさげな感じですが、よーく見てみると、ただ冒頭の3つの文を取り出して、ほんの少しアレンジしただけ。
いきなり手抜きじゃないか笑
●「桃太郎」の場合
次に、青空文庫にある「桃太郎」(楠山 正雄)。
「桃太郎は、おじいさんとおばあさんが川で拾ったもの。おばあさんは、おじいさんと2人で分けて食べ、おじいさんと2人で分けて食べた。おじいさんとおばあさんは、おじいさんとおばあさんとの仲がよかったという。」
大事なことなので二回言いました、みたいな。
とりあえずおじいさんとおばあさんの仲の良さは伝わりますが、このままだと桃太郎は鬼退治に出発しなさそう笑
●「白雪姫」の場合
最後に、こちらも青空文庫の「白雪姫」(グリム兄弟 / 菊池 寛 訳)。
「女王さまが、白雪姫をめぐる日々を振り返っている。白雪姫は、女王さまの心の中にだんだんとはびこってきていたという。女王さまは、白雪姫をめぐる日々を振り返っている。」
白雪姫とママ母 (女王) の善悪が逆転してしまっていて、もはやママ母が主人公であるかのような印象を受けるから不思議です笑
「女王さまが、白雪姫をめぐる日々を振り返っている。」
「女王さまは、白雪姫をめぐる日々を振り返っている。」
と、ほぼ同じ文でサンドイッチしているのが、なんとなく文学的な感じ。
初めは「女王さま"が"」で、最後は「女王さま"は"」となっているのが、じんわりと味わい深い。
……うーむ、3つともあまりうまく行きませんでしたが、もしかしたら文章が長過ぎたのかも。
ですが、もしも要約が失敗したとしても、それは決してムダではありません。
AIの要約が終わると、
「要約は成功しましたか?」
という質問と
「○ 成功」 「✕ 失敗」
という選択肢が表示されます。
ユーザーがこれに答えることによって、AIの精度を高めていこう、ってわけです。
サービスをタダで公開しての「実証実験」というのは、こういう意味なんですね。
今回のAIは、「ホワイトカラーの業務効率化」のために開発されたとのこと。
実証実験を通じて、一人ひとりがその目的に対して貢献することが出来るのかも。
それをさておくとしても、精度が低くても低いなりに楽しめるツールではあると思いますので、ご興味をお持ちの方は是非ご確認を。
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