現実と夢。
誰もが持っている2つの世界。
ここは現実とはかけはなれたボクの夢の世界の日記です。
再開。
出会いとは不思議なものです。
この瞬間に会っていなければ二度と会うことはなかった。そう思うこともよくあります。
逆にそのチャンスを逃したばかりに出会えなかった人も沢山いるのでしょう。
その日、ボクは中洲のクラブにいた。
新人なんですけど、お願いします。と店長に頼まれボクの席に新人さんが来た。
「はじめまして。あやです。よろしくおねがします。」
ボク「はい。こちらこそよろしく」
あやちゃん「お仕事帰りですか?」
ボク「いや、今日は休みだったよ」
あやちゃん「お休みだったんですか、ゆっくりできましたか?」
ボク「まぁまぁかな」
あやちゃん「私、昼間の仕事もしてるで、なかなかゆっくりする時間ないんですよ」
ボク「へえ、えらいね。昼間も働いてるの」
あやちゃん「今、4ケ所で働いてます」
ボク「4ケ所も・・。たいへんだね」
あやちゃん「たいへんです。でも今の仕事はどれも楽しいですよ」
ボク「ははは、楽しいならいいね」
まあ、一般的な世間話である。
そして、彼女は、昼間の仕事のこと、いろいろ話してくれた。
彼女の話は、ボクにとっては、ある理由があってかなり興味深かった。
ボーイさんが、テーブルの上にワンセット終了を知らせるものを置いた。
それを見た彼女、首をかしげてる。
ボク「どうしたの?」
あやちゃん「いえ・・・早くないですか?」
ボク「なにが?」
あやちゃん「あの・・・」
何か言いたいけど言えない。ボクは、彼女のそんな感じを察知した。
ボク「ははは、時間か。店の時計は正しいよ」
あやちゃん「でも、さっき来られて、すぐ私が・・・」
彼女は、ボーイが時間を間違えたと思ったらしい。
実際には、それだけ時間は経っていた。
ボク「そんなもんだよ。でも、まだ帰らないから」
あやちゃん「すみません・・・」
しばらくして、ボーイが彼女を呼びに来た。
どうやら交代のようである。
代わりに来た女性と、オリンピックの話で盛り上がる。
「北島さんってカッコイイですね」
「そうだね~」
やはり、この時期、この話はかかせない(笑)
何年か、前のことだった。
この店ではない。別のクラブで、ひとりの女性と知り合った。
その女性の名前は、あやちゃん。新人と言って付いてくれた彼女と同じ名前だった。
本名は、幸子。でも、決して幸せではないと、いつも、ボクに言っていた。
朝から夜中まで働き、そのほとんどを親に仕送りしている。
自分は、質素な生活をし、それでもまだ、足りない。
もっと、賃金の高い仕事へ、昼間の仕事は徐々にキツイ仕事にかわっていった。
身体は、疲労でボロボロ。それでも、少しでも高い賃金を・・・我慢する日々だった。
しかし、会社の給与不払い。
なんのために、キツイ仕事をしたのか。悩み続け、彼女は身も心も病んでいた。
そんな彼女の移り変わりを、ボクはたまに訪れる、彼女の夜の仕事場で聞かされてた。
他の人には、言わない。
でも、あなたには何故か話してもいいと・・・、いえ、聞いて欲しかった。
そう言った彼女。
いつの間にか、その店を辞め。消息不明になっていた。
だいぶ時間が経った頃、あやちゃんが、戻って来た。
あやちゃん「ふぅ~・・・」
ボク「あれっ?いま、ため息つかなかった」
あやちゃん「エッ、聞こえました。なんだかこの場所って落ち着くなって」
ボクは、小首をかしげ彼女の方を見た。
あやちゃん「隣にいると、不思議となつかしい気持ちになるんです。なんでかな」
ボク「元気だった?」
あやちゃん「エッ・・・ウソ・・・やっぱり・・・」
ボク「そうだね。何年か前もボクの隣で同じこと言ったね」
彼女は、大きく目を開き息を呑みボクの顔を見ている。
あやちゃん「わたし、ずっと、どこかで会ったことがある人だと・・・」
ボク「そぅか」
あやちゃん「最初から、気づいていたんですか?それなら、早く言って下さい」
ボク「いや、前と同じように苦しんでいるなら、そっとしておこうかと、でもその様子が感じられなかった」
あやちゃん「はい、今は楽しい毎日です」
ボク「そぅか」
あやちゃん「あ~、その、そぅかって言う口調。なつかしい」
ボク「ははは」
彼女は、後ろを向き肩を震わせた。
後ろを向いたまま、彼女はこう言った。
「今、幸せです。そして最高の幸せが、ここに・・・」
ボク「良かった。ずっと気にはなってた。でももう二度と会うことがないだろうと」
そう話始めると、彼女は、ボクの方を向き
「二度と会えないと思ったのは、わたしの方です」
わたしは、あなたに、愚痴ばかり言って困らせてた。
でも、でも、あなたは・・・。
彼女の目に、涙が見えた。
あやちゃん「もし、会えたなら、きちんとあやまろうと思ってました」
ボク「そぅか」
あやちゃん「やっぱり・・・そう言うだろうと思ってました」
ボク「なんて?」
あやちゃん「そぅかって」(笑)
彼女の顔に、笑顔が戻った瞬間だった。
そしてそれは、とても優しい笑顔だった。
ボクは、ただただ彼女が幸せであることが、うれしかった。
やがて、クラブの閉店時間になりクラブを出た。
彼女は、先頭に立って見送ってくれた。
ボク「いや、安心したよ。良かった」
あやちゃん「ダメです。まだ安心したら、これから何が起きるか、わかりませんよ」
ボク「エッ?」
あやちゃん「安心して、もう会いに来てくれないなんで嫌です」
ボク「ははは、大丈夫だよ。また来るから」
そう答え立ち去るボクに、彼女は、店の前で見えなくなるまで、ずっと手を振っていた。
最初の出会いが、偶然ならば、再開も偶然!?。
いや違う、何かがふたりを引き寄せたように感じた。
その何か、正体は、お互いの気持ちなのかもしれない。
いずれにしても、人の出会いとは不思議なものです。
「祭りのあとは」①
博多にはたくさんの祭りがある。
その中でも一番長い祭りは、「博多祇園山笠」で、およそ半月も続く。
全国的にも有名で観光客も多く博多を代表する祭りである。
逆に一番短い祭りは「博多灯明ウォッチング」わずか3時間の祭りである。
だが、博多の夜の風景を数万個の灯明で照らし出し
町の中心の川を一面に灯明が浮かんで流れる様子は幻想的で心が癒される。
これもまた、博多の風物詩として博多を代表する祭りである。
新幹線を降りて、博多口に向かった。
その途中、何人かの浴衣の女性が目に付いた。
福岡は、またどこかでお祭りなのかもしれない。
駅の外はまだ、真夏の日差し、ボクは、一瞬外にでるのをためらった。
その時、胸のポケットにある携帯が鳴った。
取り出して見ると、ある女性からのメールが来ていた。
「こんにちは。お久しぶりです。お元気でしょうか。」
そしてそのあと、「あの、私、結婚しました。」と続いていた。
ん!結婚!?
へ~、あの子が・・・。
3年前のことだった。
休日のある日、ボクは地元のパチンコ屋にいた。
胸の携帯が鳴っている。
表示を見ると、会社からだった。
外に出て、電話をとって話しをし終わると、後ろから声をかけてきた女性がいた。
女性「こんにちは」
ボク「あれっ・・・」
女性「覚えてますか?」
彼女は以前、ここの店とは別の店で、コーヒーレディをしていた女性だった。
いつの間にかいなくなって、まだ半年経つのだろうか、それでもなつかしい。
ボク「もちろん。覚えてるよ」
女性「よかった」
ボク「えっ、今度はこっち?・・・じゃないよね。」
一瞬、こっちの店で働き出したのかと思ったが、彼女の服装を見ると普通の私服だった。
女性「あはは、あの仕事はもう辞めました」
ボク「そっか」(笑)
女性「探したんですよ・・・」
彼女は、辞めて何ケ月か後、前に働いていた店に、ボクが来ていると思って何日も探しに行ったと言う。
ボク「そんなに、パチンコしてるわけじゃないからね」
女性「そうですか。私が働いているときは毎日のように来られてましたけど」
ボク「ははは、そうだったっけ」
確かに、あの頃は毎日のように通っていた(汗)
ボク「で、どうしたの」
女性「あの・・・」と、ボクを探していた理由を話し始めた彼女だった。
別れのない出会い?
「こんにちは。毎日暑いね~。夏バテ大丈夫かな?
ところで、変なこと聞くけど、何歳になった?」
ある日の夕方、こんなメールをした。
「こんばんは。暑いですねぇ~・・・今年、26才になりました。」
返事が返ってきたのは、メールを送ってから3時間後だった。
「そっか、もう何年も会っていないんだね。綺麗になったかな。
こちらは、相変わらずバカな人生送っているだけだけどね。」
そう返事した。
また、何時間かたって
「そぅですね・・・随分と経ちますよね。私は昔より太りました。
そろそろ結婚でもしたい年頃です。」
彼女と出会ったのは、もう6年も前のこと。
ふと飛び込んだ飲み屋で、ずいぶんとボクに親切にしてくれた。
でも、彼女は、長いこといたわけではない。ほんの2・3ケ月のバイトだった。
そして、ボクが会ったのも数回・・・数時間のことである。
いつメアドを教えてくれたのかは覚えてはいないけれど、もう何年もボクの携帯に登録してある。
その間、彼女のアドレスは何度か変わっているが、そのたびに新しいアドレスを連絡してくれていた。
メールのやりとりは、何ケ月かに1回程度。
お互い思い出したように、元気かな?と聞いているだけ。
そして、彼女とはあの時以来、会ったことはない。
なんだか、その頃が無性になつかしくなった。
「結婚しててもおかしくない年頃だね。
・・・もう何年になるのかな、なんだか長いようで、ついこの間のような気がする
ボクのなかでは、初めて出会ったときのままなんだよね。
そして、ボクもあの頃のまま・・・。
太っちゃったのかぁ。でも、元気ならそれが一番だよ。
あっ、ごめんね。変な話をしちゃって。」
そして、その返信を見たのは翌朝のことだった。
「アハハ、そうかもしれませんね。当時のまま記憶は年をとりませんからね。
『君は優しい子だね』ってよく言ってくれてましたね。
本質の表面しかお互い見せていない関係でしたけど誰かに『優しいね』と言える人はその人が優しい人だと思います。
今も昔も色々気遣ってくれてありがとうございます。
何か浸ってしまいました・・・(笑)」
優しいか・・・。
ホントにボクは優しいのだろうか。
いや、彼女が優しかったから優しくできただけ。
出会いというのは、不思議なものである。
ひょんなことから知り合って、そのままで終わりのこともあれば、
彼女のように、全く接点のない生活をしながらも長く続いていることもある。
どんな出会いにも、必ず別れがある。
そう言われているが、どうやら、別れのない出会いもあるのかもしれない。
別れのない出会い・・・。もっと、見つけられたらいいな。
そう思いながら、ボクは今日もまた仕事に出かける。
