井上ひさしさんなどの文筆家がコーヒーとの関係などについて書いたものを文庫本にまとめたもので「こぽこぽ、珈琲」という本です。
井上ひさしさんの冒頭部を転載させてもらいます。
「そのころ、ぼくはコーヒーを、月にすくなくとも200杯は飲んでいた。そのころというのは昭和三十五年から数年間のことで、当時、当時、コーヒーの値段は一杯六○円前後の値段。したがって、月に1万2000円ばかりの金を、あの黒褐色の液体のために投じていたわけである」
当時、昭和35年の頃から高度成長期に入りました。サラリーマンの私は井上ひさし氏のコーヒー代の1万2000円程度の月給でした。職場は福岡市内で、昼はコーヒー店で夜はスナックの看板を掲げているところが少なくないという状態でした。その頃から人手不足が顕著になっていきました。