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表紙のうらにひとこと「すべてのおかあさんとそのこどもたちに」とありますが、

すべてのこどもだったおとなたちに、すすめたい本です。

 

わたしは生まれた。

「あのひ、 わたしは あなたの ちいさな ゆびを かぞえ、その いっぽん いっぽんに キスをした。」

 

 わたしのじんせいがはじまった。

いつも わたしは 母の手にしがみついていた。

 

「もっと たかく、もっと たかくと はずみを つけて、めまいが するほど たかくまで、じぶんを ためすことも あるだろう」

「かなしい しらせに みみを ふさぎたくなるひもあるだろう」

 

やがて わたしは ふりかえりながら 家を出ていく。

そうして 母になり

 「こどものやわらかな かみのけを とかすのかもしれない。」

 

いつの間にか、時は過ぎた

 

「そうして いつか ながいとしつきの はてには、あなたじしんの かみも

ぎんいろに かがやく ひが やってくる。」

「わたしのいとしいこ そのときには どうか

わたしのことを おもいだして」

 今 子育てに疲れ果てていたとしても、

我が子のこども時代は、あっという間におわってしまう。

 

わたしは、母でもなければ娘でもない。

 

でも、父親だったとしても、息子だったとしても、

同じように 時は経つ

今がずっと続くことはない。

 

 この本を読んで、亡くなった父や母を思い出した。

そして、妻や息子や娘を思った。

 

誰が読んだとしても、最後のページまでたどり着いた時には

あたたかい涙が頬をぬらすだろう。

 

スマートな線とやわらかい色、言葉の配置が絵の一部になっている絵本です。