6月7日にブレグジットの行き詰まり状態の責任を取る形でメイ首相が保守党党首を辞任。
現在、最有力視されているのが前外相で離脱強硬派のボリス・ジョンソン(55歳)だ。
ジョンソンが国民的に広くその名を知られるようになったのは、1998年、BBCの政治番組「ハブ・アイ・ゴッタ・ニューズ」にゲスト出演してからだ。

下院議員としてはほとんど功績上げていなかったジョンソンは、自分なりの政治経歴を築くための活躍の場として、ロンドン市長選に目を向けた。

ロンドン市長選に当選。12年には再選し、この年の夏に開催されたロンドン五輪・パラリンピックの大成功を手柄とした。

筆者はこの時ロンドンにいたが、開催前「五輪には興味がない」という声が大きかったが、いざ蓋を開けてみると国民全体が五輪・パラリンピックを熱狂的に応援した。国民の人気者ジョンソンの元に一つにまとまった感じがあった。

ロンドン市内で自転車をシェアする「ボリス・バイク」の仕組みを実現させ、市内の公共交通機関でのアルコール飲酒の禁止のほかに、左派リベラル的な政策、例えば物価が高いロンドン市内の最低時給制度の維持、非合法滞在の移民への恩赦のほかにLGBTの行進にも積極的に参加した。

特定の宗教や人種に対する差別的暴言を述べたことがあり、「口が軽い」のが欠点だ。

政治的には、ロンドンの市長としてLGBT支援などリベラルな面を見せたかと思うと、ブレグジットを提唱し、「英国を国民の手に取り戻そう」と呼びかける内向きの面も見せる。
離脱運動を率いる際には、「残留派を主導するのか、それとも離脱派か」を散々迷った末に、離脱派を選択したのはライバルと目するキャメロンが残留派だったためと言われ、一体何を本当には信条とするのか、本音部分が見極めにくい政治家だ。

ジョンソンは今のところ、EUと約束した離脱予定日(10月31日)には「必ず離脱する」と宣言している。


次期英首相最有力、ボリス・ジョンソンは国をぶっ壊しかねない問題児(小林恭子 Newsweek在英ジャーナリスト)
https://www.newsweekjapan.jp/kobayashi/2019/06/-eu-67-55-200812-20102015.php