先日、少しお年を召した女性が、「膝が痛いから自転車を電動にしようかと思って、サプリ飲んでるけど全然効かへん」とご来店されました。
と、ここでわたくしめのスイッチが入ってしまいました。
医学は全くの門外漢ですが、現状を憂いているので書こうと思います。
膝の痛みは膝の軟骨が磨り減ることによて起こるとされています。関節軟骨の摩擦係数は驚きの0.001くらいからと思われています。自転車に使われているベアリングの何倍も高性能です。高性能なベアリングは軟骨と同じくらいの0.001程。人体すごいです。
膝の痛み(ほぼ変形性膝関節症)に効果が期待できる(巧妙に、あるとは言わない)と宣伝しているサプリメントの100%が効果はありません。何故か?
現在、医療機関での変形性膝関節症への治療の一つが、膝関節へのヒアルロン酸の直接注射です。これは効果も認められ(そうでないと医薬品として認可されません)現在主流の療法となっています。但し保険が効かなければ5万前後します。内服薬は痛み、腫れ止めがあるだけです。多くはアルツもしくはスベニール関節注25mgを関節に直接注射します。
で、成分が同じなら飲んでも効くと消費者が騙されるだろうと、サプリメントが乱売されてます。ヒアルロン酸の他に、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、プロテオグリカン、辺りの成分が配合されています。が、どれをとっても全く効きません。
一つ一つ短く解説しますと、1.ヒアルロン酸、人の消化器官は分子量数百程度の大きさに分解しなければ吸収できませんが、ヒアルロン酸は百万以上。飲むだけ無駄です。関節への直接注射だから効果があるのです。
2.コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸と同じく関節痛の治療に直接注射される薬剤ですが、医薬品のコンドロイチン硫酸ナトリウムは分子量2万。経口摂取して関節に届いているという研究結果は皆無のようです。
3.グルコサミン、分子量が215と小さいので吸収されるのを期待されたのでしょうが、実験で効果は否定されています。
4.最後に新参のプロテオグリカン、TVショッピングでは過去には非常に高価だったとか煽ってますが、大量に取れるようになってみれば普通の物質。しかもヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸なんかの糖とタンパクの複数の物質の結合した高分子物質、飲んで吸収されるはずなんかありません。
万が一、何らかの形で分解されて吸収されたとしても(分解された時点で分子量が変わっているので、別の物質になっている可能性の方が高い)、成人には骨が206本あります。全てに関節があるわけではありませんが、かなり多くの骨の接合部に軟骨があります。膝の関節にピンポイントでヒットするわけありません。しかも、軟骨には血管が通ってないので。よしんば成分が吸収されたとしても、運搬役がいないのです。
結論は、関節サプリは全く効きません。お金の無駄です。偽薬(プラセボ)の方がマシかもしれません。
日本整形外科学会では変形性膝関節症に運動療法を勧めています。自転車も膝に負担を与えずに運動ができるのでいいですよ〜。と無理矢理締めます。





