ママチャリの後輪のタイヤやチューブ交換というのは非常に手間がかかります。
ブレーキのワイヤーを外し、車体に固定されてるのを外し、チェーンもギアから外し、スタンドやキャリアのステー、泥除けのステー等も外して、後輪を車体から外し、タイヤやチューブの交換を行い、今度は逆の工程で車輪を車体に取り付けます。
書けば3行程ですが、自転車修理の中でも手間と時間のかかる修理の一つですし、他の手間のかかる修理よりはるかに頻度の高いものです。
そこで「バック拡げ」なる工具が登場します。これは車輪を車体から外さずにタイヤチューブ交換をしてしまおうという工具です。何ともステキな工具じゃないですか・・・んなわけありゃしません。
この工具は後輪の付いている片側のフレームを力任せに、後輪の軸とフレームの間にタイヤやチューブが通るまで拡げて交換を行うものです。
何がいけないの?とお思いでしょうが、フレームをそれだけ曲げてしまうと完全に元には戻りません。ナットで締め付けるので戻ったように見えますが、フレームの片側が外側に曲がっているので反対側のフレームも引っ張られて歪みます。
極端に言えば、真直ぐ走らなくなります。体感できるほどではありませんが。
バック拡げを何回もするとフレームが折れる事もあります。
アルミフレーム車や小径車、電動アシスト車には使用禁です。
交換の速さを謳い文句にしてる自転車店などは、禁止とか無視して問答無用にバック拡げを使っているところもあるそうです。
バック拡げを一度でもされた車体は後輪を外す修理をした時に、片側のフレームが明らかに広がっているので分かります。全然元に戻ってません。曲がったまんまです。
これって修理を頼んだら、違うところを壊された、というのに等しい行為と思うのです。
なので、当店では時間と手間がかかってもキチンと手順を踏んで修理しています。
ところでこの「バック拡げ」なる工具、自転車店御用達とも言えるHOZANというメーカーが販売してます。良心を捨てるくらい需要があるんでしょうね。
皆様、自転車店へ行って後輪のタイヤチューブ交換の際、写真の工具を店員が出してきたら、修理を断って別の自転車屋さんに行くか、バック拡げを使われることを断固拒否しましょう。
